15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは208ドル高、米中貿易摩擦を巡る懸念後退

2018年11月16日 07:40

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記事提供元:フィスコ


*07:40JST 15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは208ドル高、米中貿易摩擦を巡る懸念後退
■NY株式:NYダウは208ドル高、米中貿易摩擦を巡る懸念後退

米国株式相場は上昇。ダウ平均は208.77ドル高の25289.27、ナスダックは122.64ポイント高の7259.03で取引を終了した。英国の欧州連合(EU)離脱交渉により閣僚辞任が相次いでいるほか、メイ首相への不信任投票への動きが広がっており、金融市場への混乱波及を嫌気した売りが先行。ダウ平均は一時300ドル近い下落となった。しかし、米中高官協議が本格化し、貿易摩擦問題収束への楽観的な見方が広がったほか、パウエルFRB議長が米経済への自信を示したことも好感され、上昇に転じた。セクター別では、半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で食品・生活必需品小売や不動産が下落した。

百貨店のJCペニー(JCP)は、既存店売上高が予想を下振れたものの、在庫処分を目的とした値引き販売などの事業改革が終了間近との見方が広がり大幅上昇。ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)は、決算内容が好感され堅調推移。携帯端末のアップル(AAPL)は、モルガン・スタンレーが成長を続けるサービス部門の重要性を指摘し買われた。一方で、小売最大手のウォルマート(WMT)は売上高が予想を下振れ下落した。SNSのフェイスブック(FB)は、プライバシー問題に関して対応が遅れ、不十分であった内情をNYタイムズ紙が詳細に報じ売られた。

百貨店のノードストローム(JWN)は、マーケット終了後に8-10月期決算を発表し、売上高は予想を上振れたものの、1株利益は下振れた。時間外取引で下落して推移している。

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■NY為替:英国の合意なきEU離脱懸念再燃でポンド急落

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円10銭まで下落後、113円71銭まで上昇し、113円60銭で引けた。英国のメイ首相の欧州連合(EU)離脱協定草案に抗議して、EU離脱担当相などの閣僚が辞任し、保守党の党首不信任の動きも出始める状況に、リスク回避的な円買いが先行。その後、米株の切り返しを受けて円売りが優勢になった。

ユーロ・ドルは1.1288ドルまで下落後、1.1362ドルまで上昇し、1.1326ドルで引けた。ユーロ・円は127円77銭まで下落後、129円06銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.2816ドルから1.2724ドルまで下落。ドル・スイスフランは1.0036フランから1.0079フランで推移した。


■NY原油:続伸で56.46ドル、サウジ絡みの地政学的リスク懸念で買い勝る

NY原油先物は続伸(NYMEX原油12月限終値:56.46↑0.21)。56.18ドルから一時57.26ドルまで上昇した。米財務省が、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害に関与したとしてサウジ政府高官ら17人に、米国内の資産凍結や米国人との取引停止などの制裁を科すと発表。地政学的リスクへの懸念から一時買いが強まった。

しかし、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報(週次石油在庫統計)で、国内全体の原油在庫が予想を大きく上回り1027万バレル増加。また、原油生産量が拡大したことで売りも強く、引けにかけて上昇幅は縮小した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 27.90ドル +0.69ドル(+2.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.30ドル +0.45ドル(+1.03%)
ゴールドマン・サックス(GS)203.74ドル +1.25ドル(+0.62%)
インテル(INTC) 48.11ドル +1.02ドル(+2.17%)
アップル(AAPL) 191.41ドル +4.61ドル(+2.47%)
アルファベット(GOOG) 1064.71ドル +21.05ドル(+2.02%)
フェイスブック(FB) 143.85ドル -0.37ドル(-0.26%)
キャタピラー(CAT) 129.42ドル +4.32ドル(+3.45%)
アルコア(AA) 35.94ドル +0.79ドル(+2.25%)
ウォルマート(WMT) 99.54ドル -1.99ドル(-1.96%)
スプリント(S) 6.12ドル -0.03ドル(-0.49%)《SF》

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