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「昼寝」は決断力向上の味方となりうる イギリスの研究
●午後の90分の昼寝がもたらす俊敏性
英国のブリストル大学が、睡眠と決断力についての最新の研究結果を『Journal of Sleep Research』に発表した。重大な決断を行うには、夜間の十分な睡眠だけではなく、昼寝も有効であることが判明。また、アメリカの「スリープ・ファンデーション」は、昼寝によって創造性が40%向上するとも伝えている。
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●睡眠は脳にどのような影響を与えるのか
ブリストル大学の研究チームは、年齢の異なる16人を対象にテストを行った。
1つ目のテストは即答が求められる問題、2つ目の問題はスクリーンに映し出される色の違いなどを答える非常に単純な問題が出された。これらの問題をこなした後、90分の昼寝をするグループと昼寝なしのグループに分けられた。
その結果、昼寝をしたグループは睡眠をとった後のテストにおいて、睡眠をとらなかったグループとは顕著な違いが明らかになった。1つ目のタイプのテストにおいて、応答時間が非常に短くなるという結果が出たのである。とくに、解決が困難な問題が出題された場合、昼寝後の回答時間の短縮が明白であった。これは、睡眠中に記憶の機能が精緻化していると考えられる。
●睡眠によって脳の可能性を引き出す?
睡眠中に、情報や記憶のプロセスが改善されることは、過去の研究ですでに明らかになっていた。今回のブリストル大学による研究では、1時間半の睡眠が、認識が完全ではない情報についてもその処理を迅速にして、意思決定に肯定的な影響を及ぼすことが判明したとしている。
ブリストル大学のリズ・クルサード教授は、この研究で最も興味深い点は「被験者が全く意識していなかった情報についても、睡眠中に脳内でその情報を処理する」能力が発見されたことだと強調する。
●「シエスタ」はブームに
南欧の昼寝の習慣「シエスタ」は、地中海の人々のライフスタイルの一環であった。この昼寝の習慣は昨今、世界中でブームになりつつある。昼寝による生産性の向上が明らかになり、社内に「昼寝スペース」を設ける企業も各地で増えているという。
ニューヨークのマンハッタンには数カ月前、「ナップ・ヨーク」なるウェルネスセンターがオープンした。30分で1300円ほどかかるこの施設は、防音とプライバシーが保証されており、マネージャークラスの会社員から旅行者にいたるまで利用者が広がっている。こうした施設は、東京などの大都市や空港にも普及しつつあり、シエスタの慣習は世界規模で普及しつつある。
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