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苦戦が続くV・ファーレン長崎 川崎に敗れる
サッカーJ1、V・ファーレン長崎は29日に川崎フロンターレとの試合に1-2で敗れ、今シーズン17敗目を喫した。勝ち点も27のままとなり最下位脱出はならなかった。川崎はこの試合の勝利により得失点差で首位に立った。
■残酷なまでの王者との差
後半46分、V・ファーレン長崎のファンマが相手ペナルティエリア内で身体を反転させ左足を振り下ろすとボールはゴール右隅に吸い込まれた。しかし、その直後に試合終了のホイッスルが吹かれ、同点に追いつくにはあまりにも遅すぎる得点だった。
試合序盤から川崎の細かいパスサッカーに翻弄され、ボールをキープされ続ける。自軍のボールとなっても圧倒的なプレスに押され前に運ぶことさえままならない。明確に浮き彫りとなる王者川崎との組織力。中村憲吾、家長昭博を起点とする川崎の攻撃に対応できず、前半の内に川崎の知念慶、小林悠の両FWに失点を許す。
後半も守勢に回り、川崎ゴールをこじ開けられない長崎。後半33分にはチーム得点王の9ゴールを挙げているFW鈴木武蔵が負傷退場するなど、さらに攻撃の迫力を欠いてしまう。ホームのピッチとはいえ雨に濡れた芝生をパスサッカーで有効に活用したのは川崎であり、長崎はミスが目立ったことにも得点以上の力の差が表れていた。
■J1残留へ向け厳しい試合が続く
長崎は勝ち点を得られず、最下位は変わらず。残り試合は6、次戦は5連敗中のヴィッセル神戸が相手ではあるがアウェーでの戦いに厳しいことには変わりはなく残留へ向け正念場が続く。
試合終了間際に得た長崎のゴールはゴールキーパーから出たボールをロングパスで繋ぎ、相手DFラインで待ち構えていたFWファンマが蹴り込んだ、シンプルなゴール。この日、終始試合を支配した川崎フロンターレの洗練されたパスワークとは対照的な単調とも言える展開だった。だが、現在のV・ファーレン長崎は唯一の得点となったこの攻撃を今後も続けていくことこそ、「奇跡」への近道なのかもしれない。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)
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