乃木坂46はファンをもクリエイターにしてしまう??

2018年7月13日 21:55

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 7月14、15日、代々木にて『まんなか』という企画展が開催される。

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 これは先日乃木坂46を卒業した生駒里奈への感謝とエールを込めて、有志がお手盛りで開催するもので、彼女の乃木坂での軌跡をはじめ、多数の漫画、イラストなどが展示されるものだという。

 以前、ここでも紹介した、伊藤万理華の『脳外博覧会』もそうだったが、メンバーや運営が参加することなく、そのメンバーを思う人たちがこういうイベントを企画するというのは、乃木坂ならではというか、他のグループではあまり見られない現象だろう。

 乃木坂の場合、46時間テレビなどで、ファンの描いたイラストを紹介する機会が多く、またブログやTwitterで彼女たちのイラストや漫画を描いて公表している絵師さんも多い。卒業する相楽伊織のファンは、彼女のポスターを自分たちで駅の構内に貼らせてもらうよう交渉し、現在、北千住駅などで見ることができる。中田花奈のファンも、様々な企画で中田をプッシュするのは乃木坂ファンの間では有名な話だ。

 以前書いたことも重複するが、乃木坂メンバーの持つ「素材感」というものが、プロだけではなく、多くのクリエイターを刺激するのだろうと思う。いや、正確にはファンの持つクリエイター魂を刺激するものがあるのだろう。

 今でこそアイドル界のトップと言われている乃木坂は、実はブレイクまで少し時間がかかっている。AKBの公式ライバルという触れ込みこそ派手だったが、そこから紅白に出場するまで3年を要しており、その間、ファンたちは、何とかして推しメンのよさを知ってもらおうと、涙ぐましい努力を重ねている。

 グイグイ前にでてガツガツしたバラエティ感を出していた松村沙友里が、実は繊細で自分に自信がなくいつも悩んでいること。静かに微笑んでメンバーを見守っている聖母深川麻衣が、女優になるために見えない努力を重ねていること。清楚で凛とした美人である白石麻衣が中2男子のように楽屋ではテンショが高くメンバーを触りまくっていること。

 番組で披露された小さなエピソードを文章にし、絵にし、さらに誇張して、彼女たちが「キャラクター」ではなく、多面性のある人間であることをアピールし続けたのが、今の人気につながっている。

 彼らもまた乃木坂を作り上げてきた功労者であり、アイドルとwinwinの状態で楽しんでいる『勝ち組』なのだと記者は思う。

 今後、乃木坂にかぎらず、アイドルに刺激されてクリエイターとなる若者が増え、また新しい文化を創り上げていくのだろう。

企画展「まんなか」は、14,15の二日間。10~18時まで。
東京都渋谷区代々木1-15-4 ドルミ第二代々木3Fにて開催。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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