【編集長の視点】CRI・MWは続落も2Q上ぶれ業績、9月期通期純利益の2期ぶり過去最高更新を買い直し再騰有望

2018年5月16日 09:23

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 CRI・ミドルウェア<CRI・MW、3698>(東マ)は、前日15日に42円安の2311円と続落して引けた。同社株は、今年5月10日に今2018年9月期第2四期(2017年10月~2018年3月期、2Q)累計業績を発表し、今年4月12日の上方修正値を上ぶれてV字回復を鮮明化したが、9月通期業績については、期初予想を据え置いたことが響いて利益確定売りに押された。ただ下値は、25日移動平均線を前に下げ渋る動きをみせており、9月期通期純利益の2期ぶりの過去最高更新予想など見直して下値買いが続いた。2Q累計決算と同時に開示した画像最適化ソフトウェアを企画・開発・運用しているウェブテクノロジ(東京都豊島区)などの株式取得(子会社化)も、VR(仮想現実)関連のゲーム関連株人気の再燃期待をフォローしている。

■スマホゲーム向けの新規契約が増加し新規分野でも監視カメラ・セキュリティシステムの統合などが寄与

 同社の今期2Q累計業績は、4月12日の上方修正値を売り上げ、利益が300万円~500万円上ぶれ、売り上げ7億300万円(前年同期比15.2%増)、営業利益1億2400万円(同2.89倍)、経常利益1億2700万円(同2.76倍)、純利益8800万円(同2.89倍)とV字回復した。同社は国内で唯一、ハードとアプリの中間に位置して機能する音声と映像、さらに触覚のミドルウェアを開発・供給しており、ゲーム分野では、「CRIWARE(シーアールアイウェア)」が、スマートフォンゲーム向けの新規契約増や既存顧客への包括的は個別プラン提案などで伸長し、組込み分野では、「D-Amp Driver(ダンプドライバー)」が、複合機や警報器などの採用される製品分野が拡がり、新規分野では、出資したイスラエルのTerafence(テラフェンス)社と動画圧縮ソリューション「CRI DietCoder(シーアールアイダイエットコーダー)」の監視カメラ・セキュリティシステムへの統合に取り組み、Web動画ミドルウェア「LiveActPRO(ライブアクトプロ)」が、トヨタ自動車<7203>(東1)の中古車情報サイトに導入されたことなどが、要因となった。

 今9月期通期業績は、期初予想を据え置き、売り上げ15億円(前期比19.1%増)、営業利益3億円(同2.52倍)、経常利益3億円(同2.50倍)、純利益2億1000万円(同2.62倍)とV字回復を見込んでいる。純利益は、2016年9月期の過去最高(2億300万円)を2期ぶりに更新する。

■年初来高値水準でのスピード調整は25日線で下値を確かめて上値チャレンジに再発進

 株価は、今9月期業績の3ケタ増益転換予想で2000円台を奪回して2164円高値まで上値を追い、2018年に入って世界同時株安の波及で年初来安値1759円へ突っ込んだが、イスラエルのサイバー・セキュリティ技術会社・テラフェンス社との資本業務提携で窓を開けて2245円高値まで約3割高し、さらに今期2Q累計業績の上方修正や、来日したスティーブン・スピルバーグ監督のVR映画『レディ・プレイヤー1』の公開によるVR関連株人気も加わって年初来高値2488円まで二段上げした。足元では、利益確定売りに押されてスピード調整したが、長大下ヒゲで25日線で下値を探り、再動意含みとなっている。急騰・逆行高特性の再現期待を高め、年初来高値抜けから一段の上値チャレンジを加速させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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