北朝鮮リスク後退で「Buy in May」となるか、米1-3月期GDP速報値にも注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2018年4月24日 11:29

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記事提供元:フィスコ


*11:29JST 北朝鮮リスク後退で「Buy in May」となるか、米1-3月期GDP速報値にも注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)
こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

先週は米・英・仏が共同でシリアの化学兵器関連施設への空爆を実施したと発表し、対ロシア制裁や中東情勢の不安定化など地政学リスクが意識されました。また日米首脳会談が無事に通過、懸念されていたトランプ大統領から安倍首相に対しての強い要求はありませんでした。

貿易関税に関して気になっている方も多いかと思いますが、『原油価格の上昇やトランプ政権の鉄鋼やアルミの輸入制限により米国内で原材料価格が上昇しており、インフレ期待を高めるとの憶測を背景に米10年債利回りが2014年1月以来となる2.94%まで上昇』しており、再び米長期金利上昇は意識されているといった状況です。

それでは今週のポイントはどこなのでしょうか。

住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」では、まず北朝鮮リスクについて解説しています。先週金曜にNY市場が引けた後、北朝鮮の金正恩労働党委員長が朝鮮労働党中央委員会総会で核実験と中長距離弾頭ミサイルの試射中止を表明しました。北朝鮮の戦略路線が転換したと市場ではポジティブに受け止められています。

これについてレポートでは、『今週27日の南北朝鮮首脳会談や6月初旬までに開催が予定される米朝首脳会談に向けた北朝鮮側の融和ムードへの演出、さらに、経済制裁の解除や経済支援につなげたいとの思惑があるとの見方が有力視されています』としており、『米国や韓国は喜ばしいニュースであると歓迎しているものの、核廃棄への言及がないことから米国・韓国・中国など主要関係国要人からの発言にも注意が必要かもしれません。一方、日本のゴールデンウィークを前に本邦輸出企業のドル売りも活発化する可能性にも注目する必要がありそうです』と分析しています。

加えて、『好調な決算が続く中で、北朝鮮情勢の緊張緩和に向けた期待が高まることになれば例年言われる「Sell in May」ではなく「Buy in May」に向けてNY株式市場が堅調な値動きとなればドル/円の本格的な反発基調につながるかもしれないだけに注目です』との見解となっています。今回北朝鮮は核やミサイルの廃棄には言及していなかったこともあり、南北朝鮮首脳会談の結果が気にかかるところです。

次いで経済指標について、レポートでは、『26日のECB理事会や27日の日銀政策決定会合以上に5月1日-2日のFOMCを控えて27日に発表される米1-3月期GDP速報値に注目が集まるものと考えられます』と解説しています。今年三回との見方の利上げペースが四回になるのか否か引き続き注目です。

最後に、『上昇基調を続ける原油価格も米インフレ期待を高め、長期金利の上昇が続く中、堅調な米国経済や企業業績に裏打ちされたNY株式市場への影響がどの程度になるか、債券・株式市場の動向を睨みながらの展開が予想されます』とまとめています。しっかりチェックしてまいりましょう。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《DM》

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