NYの視点:トランプ米政権、対中貿易競争への対処でTPPも選択肢に

2018年4月13日 07:36

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:トランプ米政権、対中貿易競争への対処でTPPも選択肢に
トランプ大統領は、トップ経済チーム、ライトハイザー米国通商代表やクドロー国家経済会議(NEC)委員長に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の再考を命じたと報じられた。

トランプ政権は鉄鋼やアルミ関税を発表後、対中で厳しい追加輸入関税計画を発表していた。これに対し、報復措置も警戒されるが、中国の習国家主席は市場の開放を公約。トランプ大統領は、中国が貿易障壁の多く、もしくは全てを取り除く可能性もあると話していた。NAFTA(北大西洋自由貿易協定)再交渉協議も目覚ましく進展し、合意も近いとされている。

対中貿易制裁に関して、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は度々、現段階では提案に過ぎず、実施には数か月かかり、交渉次第で合意にいたる可能性を強調していた。ムニューシン米財務長官も潜在的な貿易戦争のリスクはあるものの、「可能性はほとんどない」と指摘。トランプ大統領は貿易に関し、2国間の合意が依然好ましいとする一方で、中国との競争に対処する手段を、11カ国と別々に交渉するよりも、TPPで他国間合意を結んだほうがてっとり早いと考え始めているようだ。

貿易戦争への懸念が後退することは投資家心理の一段の改善につながる。《CS》

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