プレミアム機能と引き換えに仮想通貨採掘の無料アプリ Mac App Storeに

2018年3月17日 13:56

印刷

記事提供元:スラド

headless曰く、 現在は非公開になっているが、プレミアム機能の使用料金を支払うかわりに暗号通貨採掘プログラムの実行を選択できる無料アプリがMac App Storeで公開されていた(Ars TechnicaMac Rumors9to5MacThe Verge)。

 このアプリ「Calendar 2」では、Moneroの採掘をバックグラウンドで実行することでプレミアム機能を無料で利用できるオプションが最近のバージョンで追加されたという。しかし、開発元のQbixはArs Technicaの問い合わせに対し、このオプションを選択しなくても採掘プログラムが実行される、CPU使用率が想定していた10%~20%を大きく上回る、といった問題が発生していると回答。これに対するユーザーからの苦情も出ていたようだ。

 Qbixはその後、採掘ライブラリーの提供元がソースコードを開示しないのでCPUの問題解決が困難であることや、ユーザーの許可なく採掘を実行しようとしたような印象を与えたこと、採掘により世界的に電力の無駄が発生することを理由に、採掘機能を削除する計画もArs Technicaに伝えている。

 Ars Technicaでは別途、この機能がApp Storeの規約に違反するのではないかとAppleに問い合わせていたが、Appleからの回答はなく、問い合わせから24時間近くたってもアプリはそのまま公開されていたという。アプリはその後非公開になったが、Appleが沈黙していることからこのような機能の提供を容認しているのではないかという見方も出ていた。

 その後のQbixのツイートによれば、アプリはApp Store審査ガイドライン2.4.2(効率的な電力の使用)に違反するとしてApple側が削除したのだという。QbixはAppleの協力もあって既に採掘機能を削除した新バージョン再公開しており、すべての機能を1年間無料で提供すると説明している。

 ちなみに、採掘機能搭載バージョンの公開から3日間でQbixは2,000ドル相当のMoneroを得たそうだ。一方、Qbixが過去7年間にこのアプリから得た収入は70万ドルだったとのことだ(9to5Macの記事[2])。

 スラドのコメントを読む | アップルセクション | ソフトウェア | MacOSX | バグ | アップル | 暗号 | お金

 関連ストーリー:
仮想通貨の採掘をバックグラウンドで行うツールを同梱するフリーウェアが登場 2018年03月14日
アイスランドやマレーシアで仮想通貨採掘機材の盗難事件が頻発 2018年03月08日
熊本県の新電力会社・熊本電力が仮想通貨採掘に参入、余剰電力を活用 2018年02月23日
SETI、仮想通貨採掘ブームの影響によるGPU高騰で予算不足に 2018年02月19日
広告ブロックを使用するかわりに仮想通貨採掘スクリプトの実行許可を求めるWebニュースメディア 2018年02月17日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事