【AT車のエンストを甘く見るな(上)】整備士に分からない故障「制御プログラム」

2018年2月23日 06:57

印刷

「ATはエンストしない」とする意識は誰にでもあるだろう。しかし実際は、エンストすることもある。その場合、MT車でのエンストのように「操作ミス」がはっきりとドライバーに認識できない場合がある。AT車の場合は故障と認識できないことが多くなり、危険が伴いやすいとも言える。

【こちらも】【オイルゲージの役割と使い方(上)】オイルで自動車メーカーの技術水準を判断する

 エンストしてしまった時の原因としては、(1)操作ミス、(2)故障の2つの原因が考えられる。(2)については自覚できていないと危険だ。再発することがあるのと、車を壊してしまうことがあるからだ。

 例えば、急な坂道で後ずさりしてしまうほどの傾斜がある時、発進しようとしてアクセルが遅れて後退してしまうと、エンストが起きることがある。そんな時、車の各所に過大なストレスがかかり、破損などの故障を作ってしまうことがある。これは操作ミスを自覚できないと危険である。

■ディーラーの整備士も分からない故障

 現在のディーラーやメーカーの姿勢では、「分からない」としてユーザー側の操作ミスにしてしまおうとする。「クレーマー」も重大な問題だが、「メーカーもディーラーも」お客様を「クレーマー扱いして逃げる」ことをシステム化しているとみえる。

 車の構造が複雑化して、さらに省燃費競争が激しくなって繊細な制御をするようになり、「欠陥車」が増大している中で、パソコンのOSであるWindowsの「バグ」のように、メーカーが欠陥について「発表しない」「責任を持たない」状態に近づいている。これは深刻で、制御プログラムのバグはどこで発生するかもわからず、原因も定かにできないのがユーザーの置かれた立場だ。

 AT車と言えども、エンジンを省燃費制御しているプログラムはどこと連結しているのか、ディーラーの整備士やメーカーのユーザー対応窓口では把握できていないようだ。そのため「詐欺商法」のように、窓口ではユーザーを抑え込もうとする。それに、現在の日本のPL法では、ユーザーに勝ち目はほとんどない。だから、「欠陥車」だとユーザー自体が気づかぬまま闇に葬られてしまうことがほとんどだろう。

■メーカーが闇に葬るエンストの事例

 エンジン制御プログラムと、ミッション制御、ブレーキ制御、アクセル制御がどこかで繋がっているのが現代の車では常識だ。連動していないほうが稀である。

 例えば、スバル・レガシィアウトバックで起きているエンスト寸前のエンジンについてみてみる。新車の時から、発進時にエンジン警告灯が赤く点灯してしまうほどの「エンジンストール」の様相を見せていた。だから右折の時が危険だ。右折開始でアクセルを踏んだ瞬間、回転が上がらず、ぎくしゃくと少し前進してもたつくので、直進車にぶつけられる心配があるのだ。

 もちろん、ディーラーに調整を申し入れ、整備士が同乗して現状を認識したのだが、「現象は起きていない」と不自然に突っ張りだしたのだ。とても危険な欠陥なのだが、これを押しのけて整備をさせられるユーザーがどのくらいいるのであろうか?私は3時間整備の窓口と口論したが、結局故意に「クレーマー扱い」された。ユーザー側で車が変調を起こしていることを証明する手立てはないので、メーカーやディーラーのなすがままになってしまうのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは:【AT車のエンストを甘く見るな(下)】整備士に分からない故障「制御プログラム」

関連キーワード

関連記事