イケアの創業者イングバル・カンプラード氏が死去 91歳

2018年1月31日 16:53

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イケアのロゴ。(c) 123rf

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 世界的な家具販売大手チェーン、IKEA(イケア)の創業者であるイングバル・カンプラード氏が1月27日、死去していたことが分かった。ロイターなど各社が報じた。氏はスウェーデン人であり、同国の自宅で亡くなった。死因は病死とみられる。なお、2013年には経営からは退いていた。

 イケアはカンプラード氏が17歳のとき、雑貨店としてその産声を上げた。当初は何でも扱うごく普通の雑貨店であったらしいが、数年後、家具の格安販売に乗り出したところこれが大いに好評を呼び、それからさらに数年後には家具専門店として生まれ変わった。

 だがその後、同業他社との競争が激化し、商品の仕入れなどに支障をきたすようになった。そこで自社でデザイナーを抱え、企画・製造・販売を自律して行う体制を確立。これが今日に至るまでのイケアの基本的な特徴を形作ることになった。なお、イケア独特の「フラットパック」(分解された商品が車に簡単に積めるようにしてある梱包スタイル)もこの頃に確立されたという。

 1960年代からスウェーデン国外にもチェーン展開を始めるようになる。日本での第一号店は1972年、愛知県名古屋市にオープンした。もっとも、これはまもなく撤退に追い込まれている。さらに1974年、イケア日本社を合弁で設立、千葉県船橋市に店舗をオープン。これも撤退しているのだが、2006年にみたび日本展開に挑戦、これが今日に至っている。

 ネット販売にも参入しているがこれはごく最近からで、2017年4月から「IKEAオンラインストア」のサービスを開始している。

 今日、イケアは低価格とデザイン性の高いシンプルな家具で知られ、日本含む世界各国で400以上の店舗を展開するに至っている。なお、カンプラード氏は1980年代には役職からは退いており、以後は相談役を務めていた。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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