アサヒビール、台湾に100%子会社設立 マーケティング強化狙う

2018年1月10日 17:01

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記事提供元:エコノミックニュース

アサヒビールの台湾での販売は「アサヒスーパードライ」を中心に2016年は115%を達成。来期、2017年は前年比18%増を狙う

アサヒビールの台湾での販売は「アサヒスーパードライ」を中心に2016年は115%を達成。来期、2017年は前年比18%増を狙う[写真拡大]

 アサヒビールは、台湾における同社主力商品の「アサヒスーパードライ」を中心としたアサヒグループ製品の酒類輸入・販売業務について、2018年1月から、現地合弁会社の三商朝日股?有限公司が担う現行体制から、アサヒグループHDによる100%出資の新会社・臺灣朝日?酒股?有限公司(所在地:台湾・台北、董事長・古庄希/アサヒビール台湾)が担う新体制へと移行し、台湾におけるさらなる販売強化に取り組むと発表した。

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 今回の新体制への移行で、従来の合弁会社による販売体制から、台湾全土でそれぞれの地域や飲食店業態に強みを持つ複数の卸店を通じた幅広い販売網の構築と、コンビニエンスストアなどの一部量販店への直接販売を行なうことが可能となる。新体制が整うことで、台湾全域で売上の拡大を目指すという。

 加えて、100%資本出資の子会社によるガバナンス体制となることで、アサヒグループのマーケティング綜合力を活かした顧客と需要の掘り起こし、グループの幅広い商品ラインアップを柔軟に提案できる営業体制とし、台湾における成長戦略を加速させるとしている。

 また、アサヒ飲料製品の輸入・販売業務についても、2018年1月から、三商朝日股?有限公司が担ってきた2017年末までの体制から、台灣可爾必思股?有限公司(本社 台湾 台北、董事長・大石立)が行なう新体制へと移行する。

 近年、台湾のビール消費は漸増傾向が続いており、台湾財政部統計によると、2016年は前年比100.7%だったという。台湾のビール市場全体は微増傾向だが、台湾製国産ビールが低調で、輸入ビールの増加が市場全体を支えているとも。牽引しているのは「アサヒスーパードライ」を含む中高級価格帯の輸入ビールであり、その総量はこの5年で約1.3倍に拡大している。

 台湾は親日家も多く、日系企業にとってポテンシャルの高い市場される。アサヒビール台湾は、業務用市場においては、「アサヒスーパードライ」のきめ細やかな泡や高品質な味わいを訴求し、日系以外の中華&西欧系飲食店への提案を強化、樽生ビールを中心とした販売増を目指す。

 また、家庭用市場においては、アサヒグループのマーケティングノウハウを活かして需要を掘り起こし、RTDや焼酎、ワインなど幅広いラインアップを提案する。なお、2016年の台湾における「アサヒスーパードライ」を中心としたアサヒブランドの販売実績は、前年比115%と拡大している。

 海外における「アサヒスーパードライ」を中心としたアサヒブランドの2017年販売数量は、10月末時点で年間販売目標をすでにクリアした。年間販売見込みは、過去最高となる約1160万ケース(前年比118%)超を見込んでいる。

 アサヒグループは、2018年1月よりアサヒグループ傘下のアサヒ・ヨーロッパ社による「アサヒスーパードライ」の欧州における販売を開始する。この結果、グローバルプレミアムビールメーカーとしての成長を加速させる要素が整った。(編集担当:吉田恒)

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