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森永乳業、4つの事業ドメインで事業拡大
森永乳業は、栄養バランスにすぐれ、栄養価のあるスーパーフードを手軽に摂れる栄養機能食品の果汁飲料「アセロラ&ゴジベリー」などを10月31日から発売すると発表した。このスーパーフードは海外で流行しており、森永乳業が力を入れている、日本でも成長が期待できる健康・栄養事業の商品である。
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森永乳業は、1917年「栄養豊富な牛乳の飲用の定着を通じて国民の健康に寄与する」という理念で、日本練乳として創業された。
以後森永製菓との合併・分離を経過して1949年森永牛乳が設立され、乳で培った技術で「おいしさ」や「健康機能性」を備えた多くの商品を開発・生産してきた。少子高齢化と人口の減少による市場が伸び悩む中、4つの事業ドメインで事業拡大を推進する中期計画により、家庭用食品のブランドや機能性・食品素材事業を強化し、グローバル市場への参入を目指す森永乳業の動きを見ていこう。
■前期(2017年3月期)実績と今期(2018年3月期)見通し
前年度実績は、売上高5,926億円(前年比98%)と低迷したが、営業利益は前年よりも68億円増加の211億円(同147%)であった。
営業利益の増加は、世界的な市況安と円高の進行による原材料価格の低下54億円、不振商品110品目の削減による商品構成の見直しによる20億円の改善などによるものである。
今期見通しは、売上高6,000億円(同101%)で、営業利益は215億円(同102%)と原材料価格の上昇による減少37億円を商品構成の見直し20億円と売上数量増による14億円などでカバーする見込みである。
■中期計画(2016年3月期~2020年3月期)で4つの事業ドメインによる事業拡大
2020年3月期の目標は、売上高6,400億円(前期比108%)で営業利益は225億円(同105%)である。
下記の事業ドメイン別に2020年3月期目標の戦略を推進し、特に国際事業については国内で培った商品力を生かして今後伸びていく海外市場に力を入れる。
1.B to C事業 売上高3,380億円(構成比53%)、営業利益80億円(同36%)
従来の消費者向け主力事業。チルドカップ飲料、冷菓などの独自性の高い商品に事業を集中し、ヨーグルト、チーズなど次世代の高シェア商品を育成する。
2.B to B事業 売上高1,160億円(同18%)、営業利益100億円(44%)
機能性・食品素材の食品・医薬・健康食品産業向け事業。各産業向けに乳素材・機能素材の販売強化、クリーム、チーズ、粉乳、ペプチドなどの新商品開発を行う。
3.健康・栄養事業 売上高520億円(同8%)、営業利益25億円(同11%)
高成長期待分野。サプリメント、流動食などの開発・販売を強化する。
4.国際事業 売上高380億円(同6%)、営業利益20億円(同9%)
成長する海外市場へ進出。ドイツミライ社新工場稼働で乳原料拡売、欧州・米国へのビフィズス菌末などの輸出、インドネシア、パキスタンへ育児用粉乳の市場開拓を進める。
少子高齢化、人口減の中伸び悩む市場で、4つの事業ドメインで事業拡大を目指す森永乳業の動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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