W3CがEMEを標準化、EFFはW3C脱退を発表

2017年9月22日 22:21

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記事提供元:スラド

headless曰く、 W3Cは18日、Webブラウザ上でDRM付きコンテンツを再生するための仕様である「Encrypted Media Extensions(EME)」をW3C勧告(Web標準)として発行した(プレスリリースArs TechnicaRegister)。

 EMEは暗号化されたコンテンツをWebブラウザ上で扱うためのAPIを提供するものだ。Media Source Extensions(MSE)と組み合わせることで、DRM付コンテンツをプラグインなしにWebブラウザ上で再生できるようになる。

 既にメジャーなWebブラウザやコンテンツプロバイダではEMEの導入を進めているが、FSFやEFFなどはWebのオープン性を損なうものだなどとして強く反対しており、調査や修正など合法的な目的でのDRM迂回を制限しないといった条項を盛り込んだ妥協案を提出していた。

 しかし、7月にはW3Cディレクタのティム・バーナーズ・リー氏が妥協案を却下してEMEの標準化を承認したことから、W3C史上初という異議申立が行われた。これを受けて9月半ばまで実施されたメンバーによる投票では、この決定に賛成が108票、反対57票、棄権20票という結果になっている。

 この結果を受けてEFFは18日、W3C脱退を発表した。EFFは自由でオープンなWebを守るための戦いの一環としてDRM廃止を訴えている。この戦いでW3Cの仲間と行動を共にできないことや、Webを生んだ人々が自由やオープン性をどうでもよいと考えていることは悲劇であると述べている(EFFの公開書簡Neowinの記事)。

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