古豪・米子東高校、あと一歩で久々の甲子園出場を逃す

2017年7月28日 18:41

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■鳥取県予選決勝

 27日、米子市のどらやきドラマチックパーク(通称どらドラパーク)で全国高等学校野球選手権鳥取大会の決勝戦が行われた。決勝にコマを進めたのはともに米子勢の米子東と米子松蔭。鳥取県は人口が最も少ない都道府県として知られているが、公式野球部がある学校も多くはない。鳥取大会に出場しているのは全部で25校。つまり4回か5回勝てば甲子園に出場できる仕組みとなっている。

 この決勝に進出した米子東だが、夏の甲子園には13度、春も8度出場しているため知っている人も多いのではないだろうか。甲子園での最高成績はベスト4であり、かつては鳥取代表と言えば米子東と連想する人も少なくなかった。しかし、近年は私立の高校を中心に県外から選手を集めだしたことで、トーナメントの序盤で姿を消すことが多くなり、夏の甲子園に出場したのは1991年が最後だ。そして今年、その91年以来26年ぶりに、鳥取大会の決勝まで勝ち進んだ。

■米子東高校について

 米子東高校と言えば地元では有名な進学校で、全国高校生クイズでも常連である。出場回数は15を数え、奈良の東大寺学園、鹿児島のラサールに次いでいる。1994年には同大会で準優勝、翌年95年には優勝を果たし、まさに頭脳で全国トップクラスに君臨する県立高校だ。

 文武両道を掲げている学校は多数あるが、米子東もその一つだ。野球だけでなくサッカーでも全国選手権でベスト8に輝く実績を持っており、ラグビーも全国大会にコマを進める。

 だが、2010年ごろからは学業を優先するようになった。今年の4月からは文部科学省によりスーパーサイエンスハイスクールに指定された。ただでさえ難しい甲子園出場だが、近年はさらに遠のいたかのように思えた。

■文武両道の証明

 しかし今年のチームはそんな大人たちの目論見をあざ笑うかのように文武両道を証明した。決勝戦では、米子松蔭に2-5で惜しくも敗れてしまったが、試合内容は序盤に大量失点をしてしまったものの中盤以降は互角以上の展開を見せた。これは見る者に勇気と希望を与える進撃だったのではないかと思う。

 今願うことは、米子東を破り、こちらも17年ぶりと久々の夏の甲子園の切符を得た米子松蔭が、全国で旋風を巻き起こしてくれることだ。

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