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ロイター通信によれば、11日、シリア人権監視団から、過激派組織「IS(イスラム国)」の最高指導者バグダディ容疑者が死亡したという情報を確認した、との情報提供があったという。監視団のラミ・アブドルラーマン代表によれば、「シリア東部デリゾール圏で、ISの幹部から情報を得た」とのことである。
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ロシア国防省の発表では、2017年5月28日に行われたシリアのIS拠点ラッカへの空爆で、バグダディ容疑者が死亡した可能性がある、とされている。
ただし、今回の新情報について、まずアメリカ国防総省は「裏付けはない」と述べている。アメリカが主導する有志連合の報道官、ライアン・ディロン大佐は「情報は確認できていない」と述べている。さらに、アメリカ軍のタウンゼンド中将は記者会見で、「バグダディの居場所ならびに生死について確かな情報はないが、死んでいることを強く望む」との談話を発表した。またロイター通信も、「バグダディ容疑者の死亡を確認してはいない」としている。
アブー・バクル・アル=バグダディ。1971年7月28日、イラク生まれ。ISの指導者であり、自称「カリフ」。
カリフというのはイスラム教共同体の指導者である。宗派によって定義などが異なるため、何をもってカリフと認めうるのか、定かではない部分もあるが、少なくとも、イスラム教国も含めた現代の国際社会に、バグダディ容疑者をカリフであると正式に認めた国はない。
バグダディ容疑者は本当に死んだのだろうか?アメリカほかの諜報機関が当然総力を挙げて調査しているであろうにも関わらず確定情報が流れてこないのだから、ここでも「何とも判断できない」としか言いようはないだろう。
とはいえ、苦い記憶として思い出されるのは、国際テロ組織アルカイダの指導者、ウサマ・ビン・ラディンの死亡についての報道である。ウサマ・ビン・ラディンは2011年にパキスタンで死亡したが、それ以前にも、ビン・ラディン死亡説は、何度流されたか分からない。その全ては虚報であった。
イラクの最大拠点モスルの陥落がついに宣言され、ISが窮地に立たされていることは確かであるが、今後とも続報を待たなければなるまい。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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