釣り餌として知られるブドウムシはポリエチレンを食べて分解できる

2017年4月28日 21:36

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記事提供元:スラド

headless曰く、 釣り餌の「ブドウムシ」として知られるハチノスツヅリガの幼虫が、ポリエチレン(PE)を生分解できることが判明したそうだ(論文GuardianConsumerist)。

 ハチノスツヅリガの幼虫は蜜蝋を食べて育つため、養蜂の害虫としても知られている。今回の研究は、趣味の養蜂家でもある研究者のFederica Bertocchini氏が、捕獲した幼虫をPE製の袋に入れて部屋に放置したことから始まったという。Bertocchini氏が部屋に戻ると、幼虫は袋から逃げ出しており、袋には多数の穴が開いていたそうだ。スーパーマーケットなどで提供されるPE製の買い物袋と100匹の幼虫を一緒にしておくと、12時間でPEが92mg減少したとのこと。

 幼虫が単純に袋をかじっただけという可能性を排除するため、幼虫をすりつぶした溶液をPEフィルムに塗り付けてみたところ、14時間で13%のPEが減少したという。フィルムをフーリエ変換型赤外分光法(FTIR)で分析した結果、溶液を塗り付けたフィルムではPEに加え、エチレングリコールやカルボニル結合の存在を示すスペクトルが得られた。エチレングリコールのシグニチャは、幼虫がかじったPEの穴付近でも確認され、離れた位置では確認されなかったそうだ。また、原子間力顕微鏡(AFM)でフィルムを確認すると、表面の粗さは140%以上増加していたとのこと。

 PEは菌類による生分解が知られているが、これには数週間~数か月を要する。PE製品は広く使われており、環境への影響を減らすための新たな分解方法の開発が求められている。ハチノスツヅリガの幼虫自体がPEを生分解できるのか、腸内細菌の酵素の働きによるものかについてはさらなる調査が必要となるが、このように短時間での生分解が可能なことは、バイオテクノロジーでの応用も期待されるとのことだ。

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