【中国】深セン住宅価格が半年前水準に下落、12月取引戸数は年内最低

2017年1月8日 12:30

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記事提供元:フィスコ


*12:30JST 【中国】深セン住宅価格が半年前水準に下落、12月取引戸数は年内最低

地元政府による不動産引き締め策を受け、中国広東省の深セン市で住宅価格が大きく下落している。最新の統計データによると、新築住宅の平均成約価格は2016年12月に前月比0.7%安の5万4946人民元/平米(約93万円)まで下落し、約半年前の水準に戻った。成約戸数は26.0%減の2161戸と、月次ベースの年内最低を記録したという。南方都市報が3日伝えた。

エリア別では、市中心部の福田区のほか、竜崗区や羅湖区などで下落が目立っている。うち福田区の平均成約価格は、前月比20.7%安の8万3930人民元に下向いた。

他の主要都市でも、不動産引き締め策による影響が顕著になっている。北京晩報によれば、正月連休中の住宅販売が例年の傾向に反して振るわず、ある仲介業者では1月1日に一人の客も訪れなかったという。不動産仲介大手の中原地産では、16年末に実施された住宅ローンの引き締めにより、今年第1四半期(1~3月)に北京市をはじめとする主要都市で住宅販売が低迷すると予測している。

中国では昨年の国慶節連休(10月初旬)ごろ、「一線都市」や「二線都市」の多くで住宅購入規制などの引き締め策が実施された。この影響で住宅価格の上昇ペースが鈍化し、一部都市では下落に転じている。国家統計局の発表によると、主要70都市のうち、16年11月に前月比で新築住宅価格(中低所得層向けの「保障性住宅」を含む)が上昇した都市は55都市となお多数を占めたものの、8月の64都市、9月の63都市、10月の62都市から徐々に減少。価格が下落した都市は10都市で、前月の7都市から3都市増加した。下落都市ワースト組の中には、深セン市や杭州市(浙江省)など、夏場までは全国的に見て高い値上がり率を示していた都市が名を連ねている。


【亜州IR】《SK》

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