ウイスキー消費急成長の日本市場狙い、世界のウイスキーが殺到

2016年10月23日 20:59

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記事提供元:エコノミックニュース

新製品の「ザ・グレンリベット ファウンダーズ・リザーブ」の発表会にスコットランドの伝統衣装「キルト」姿で登場した俳優の山本耕史さん、バグパイプ演奏を20年ほど前に習いにスコットラントを訪れたという

新製品の「ザ・グレンリベット ファウンダーズ・リザーブ」の発表会にスコットランドの伝統衣装「キルト」姿で登場した俳優の山本耕史さん、バグパイプ演奏を20年ほど前に習いにスコットラントを訪れたという[写真拡大]

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 低迷していた日本国内ウイスキー市場が急反転し、大きな伸長状態になって3年以上が経過した。国内メーカー各社は、思いがけないウイスキーの販売増で、モルト&グレーン原酒の不足という思いもよらない事態に追い込まれている。アサヒビールの発表によると2015年度の国内ウイスキー販売は前年比117%だったという。国産メーカー各社は増産したいものの、ウイスキー原酒は最低でも6年ほどの熟成期間を要する。このため、絶好の機会ではあるものの、対策が立てられないのが現状だ。

 こうした国内メーカーの間隙を突く恰好で、海外のウイスキーメーカーが、日本のマーケットを狙い撃ちする施策が増えてきた。

 まず、“世界で3秒に1本のウイスキーが売れている”とされるシングルモルト・スコッチの雄「ザ・グレンリベット」が新商品を日本に投入する。新製品は「ザ・グレンリベット ファウンダーズ・リザーブ」だ。ザ・グレンリベットはスコッチの銘産地スペイサイドの名門で、英国政府公認第一号の蒸溜所として名高い。シングルモルト・ウイスキーのベンチマークとして世界中で愛飲されているシングルモルトだ。

 新製品の「ザ・グレンリベット ファウンダーズ・リザーブ」のコンセプトは、これまでの高いプレステージ性を追及するグレンリベット商品群とは趣を異にする。今回の新商品は、“家呑み派にむけたシングルモルト”ともいうべきウイスキーで、「肩肘を張らずに、家族や友人達とワイワイ賑やかに愉しむ」シングルモルトとされる。飲み方もストレートに拘らず、ソーダ割やトワイスアップ(常温水割り)など、自由な雰囲気を訴求する。アルコール度数は40%、700mlボトルの希望小売価格4800円なので実売価格は3000円台となりそう。

 スコッチモルトの産地として急速に人気が高まっているアイラ島。アイラモルトは、何と言ってもそのスモーキーでピートの効いた味わいが特徴で、一度ファンになると止められない香味を持つ。そのアイラモルトのひとつ、ラガヴーリン蒸溜所からも新製品が届いた。同蒸溜所は今年創立200年を迎え過日、日本でも記念イベントを開催。「ラガヴーリン8年」と「ラガヴーリン25年」の記念ボトルを発表した。イベントには女優でタレントの橋本マナミさんが登場し、「ラガヴーリン8年」のフレッシュでスモーキーな味わいに酔っていた。ここでも家呑みやファミリーパーティを意識した8年モノの若いモルトなら価格もリーズナブルで、若いモルトファンにうってつけの一本といえる。

 スペイサイドからニュースをもう一本。グレングラント蒸溜所からのリリースだ。11月に「グレングラント12年」を発売する。ノンピート麦芽を原料とし、“飾り気のないこと”をモットーに、香味バランスに優れ軽やかで親しみやすさを特徴としたシングルモルト。その品質の高さと飲用シーンの幅広さから、シングルモルトとして世界第6位の販売量となっている。ここでも「家呑みシーン」を狙ったマーケット戦略がうかがえる。

 日本市場を虎視眈々と狙っているのは、スコットランドだけではないようだ。スコットランドの隣国、アイルランドからも新製品が届く。アイルランドでつくられるアイリッシュウイスキーは世界最古のウイスキーといわれる伝統的なアルコール飲料だ。そのなかでも有名なブッシュミルズ蒸溜所が、最高エイジング・シングルモルト「ブッシュミルズ シングルモルト21年」を日本市場に投入する。

 また、アイリッシュウイスキーの「ジェムソン(JAMESON)」でも、新商品「ジェムソン ブラック・バレル」を投入。これは、「JAMESON」のヘリテージシリーズから新登場するアイテム。「JAMESON」は1780年に創業し、当初は使っていない樽は蒸留所に放置されており、熟成に使う時に樽の内側を黒く焦がすチャーリングを行なって再利用していた。「ジェムソン ブラック・バレル」は、このチャーリングの製法を受け継ぎ、さらに磨きをかけた製品だ。

 一方、国産メーカーもニッカウヰスキーが、「ブラックニッカ」発売60周年を迎えて、「ブラックニッカ」に発売60周年記念ウイスキーの限定ボトルをリリースする。「ブラックニッカ ブレンダーズスピリット」だ。「ブラックニッカ」は、“日本のウイスキーの父”であり、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が1956年に「日本の洋酒界を代表するブランドにしたい」との想いを込め生み出した国産初の本格的なブレンデットウイスキー。今回、数量限定で発売する「ブラックニッカ ブレンダーズスピリット」は、初代「ブラックニッカ」が発売された1956年に余市蒸溜所で蒸溜したモルト原酒や、かつて西宮工場に設置していたカフェ式蒸溜機で仕込んだカフェグレーンを使用し、「ブラックニッカ」の60年の歴史を堪能できる味わい。ブラックニッカは同社のボリュームゾーンを牽引する製品だが、この限定品はそのなかの最上位に位置するウイスキーだ。

 日本国内ではアルコール飲料の総消費量は毎年のように低減する傾向が続く。そのなかで社会的減少をともなって伸長する日本の“ウイスキー市場”に世界のメーカーが中国などの新興国とは異なる商材で殺到する。新商品の発表イベントも積極的で、冒頭のザ・グレンリベットの発表会には、俳優の山本耕史さんがバグパイプ姿で登場した。(編集担当:吉田恒)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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