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月の内部構造を説明する新しいモデルを提唱―国立天文台・松本晃治氏ら
今回の研究に基づく月内部構造を示す概略図 (国立天文台の発表資料より)[写真拡大]
国立天文台の松本晃治氏らによる研究チームは、月のマントル下部の軟らかい層がこれまで考えられていたよりも厚く、その密度もより大きい可能性が高いことを明らかにした。
アポロ計画で実施された観測から月にも地震があることが分かり、これを利用して月の内部構造の研究が進んできたが、設置された月震計は月の表側に数点しかなく、これまでに観測されている月震の分布は表面から約1200kmまでの深さに限られていた。
今回の研究では、月震データと最新の測月データとの双方を説明できる新しい月の内部構造モデルを構築した。その結果、先行研究の結果と比べ、マントルの底にあると考えられる軟らかい層がより厚く、その密度がより大きいことが分かった。先行研究では軟らかい層の厚さは150km、密度は3400kg/m3とされていたが、本研究では厚さは少なくとも170km、密度は3450~3650kg/m3と推定されている。
研究メンバーは「最新のデータを用いることによって月の進化の議論につながる月内部構造モデルを導くことが出来ました」とコメントしている。
なお、この内容は「Geophysical Research Letters」に掲載された。論文タイトルは、「Internal structure of the Moon inferred from Apollo seismic data and selenodetic data from GRAIL and LLR」。
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