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医師国家試験を解答できる人工知能プログラムを開発―慶大・榊原教授ら
慶應義塾大学の榊原康文教授、伊藤詩乃氏などによる研究グループは、医師国家試験の一部を自動解答する人工知能プログラムを開発した。
近年、電子カルテなど、医療・健康データの電子化が急速に行われており、その応用システムの一つとして、記録された内容から患者の情報を適切に読み取り、医師の診療を支援するシステムの構築が期待されている。
今回の研究では、医師国家試験問題の大半を占める「問題文として患者の情報や検査結果が与えられ、複数の選択肢の中から適切な回答を選択する臨床実地問題」に解答することのできる人工知能を開発した。この人工知能で第107回・第108回の医師国家試験問題のうち、臨床実地問題の27題について解答したところ、正答率は42.6%となり、ランダムに解答して得られる正答率19.6%と比べて優位に高い正答率を出せることが分かった。
研究グループは、教師データを大量に準備することができれば2〜3年以内に医師国家試験に合格できる解答機を完成できると考えているという。
また、近年は患者の個人情報を匿名化することで医療・健康情報をビッグデータ化し、解析することで有用な医学情報が得られると考えられている。今回の解答プログラムは、こうした医療情報ビッグデータの解析手段としても期待される。
なお、この内容は「情報科学技術フォーラム FIT2015」で発表された。論文タイトルは、「医師国家試験を自動解答するプログラムの構築」(Construction of a question-answering program that automatically answers the medical
licensing examination)。
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