「環境衛生週間」だから考えたい、日本人らしい環境衛生活動とは?

2015年9月19日 07:08

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記事提供元:エコノミックニュース

「環境衛生週間」とは、9月25日の「清掃の日」から10月1日の「浄化槽の日」を結ぶ週間のことだ。

「環境衛生週間」とは、9月25日の「清掃の日」から10月1日の「浄化槽の日」を結ぶ週間のことだ。[写真拡大]

 9月24日~10月1日は「環境衛生週間」だ。「環境衛生週間」とは、9月25日の「清掃の日」から10月1日の「浄化槽の日」を結ぶ週間のことだ。期間中は環境衛生全般に渡って改善を促す啓発活動が積極的に行われるが、とくにごみ問題が中心で、全国各地で廃棄物の減量化やごみの排出抑制、リユース、リサイクル等の推進、ごみの散乱防止など様々な啓発活動が実施される。

 リユース、リサイクルの身近なものといえば、洗剤などの詰替えや、ペットボトルなどの再利用が挙げられるだろう。近年では、スーパーや大型ドラッグストアの洗剤・化粧品コーナーを見ると、バス・トイレ関連などのトイレタリー商品の多くに詰め替え用のスタンディングパウチ製品が見受けられる。ちなみに、こういった「詰め替え文化」は世界でも類がなく、日本の独自の環境対策でもある。日本国内では、今ではすっかりお馴染みとなった、この注出口付詰め替えパウチ製品は、今から10年前、1995年に藤森工業<7917>が開発・製造した「「フローパック(R)」が草分けといわれている。同社の新事業企画担当が、スイスの包装材メーカーが特許を持つチューブ付のスタンディングパウチに興味を持ったのが発端で、紆余曲折の開発努力を経て製品化。今や年間5億袋を超える大ヒット商品となった。詰め替えパウチ製品自体がエコ意識の啓発アイテムになりつつあり、市場は堅調に拡大を続けている。

 商品以外にも、リユースのおもしろい取り組みとしては、木造注文住宅を手がけるアキュラホームとグループ会社のオカザキホームが共同で実施している「木望(きぼう)の未来プロジェクト」も面白い。これは、木の家を提供する企業である両社が、子どもたちに木の素晴らしさを伝えることを目的に行っている活動で、間伐材で製作した小学校学習用机の天板を小学校に寄贈し、同社の大工が古い天板と交換している。2014年度は計2210枚、活動を開始した2010年から累計で8230枚の寄贈を行っている。また、単に天板の張替えを行うだけでなく、多くの小学校で出張授業「ふれあい授業」を行っている。講演やカンナがけ体験などを通じ、次代を担う子どもたちへ「森のすごさ」「木の素晴らしさ」「物づくりの楽しさ」の理解を深めてもらうことを目的に実施されており、自然環境を学び、木材に直接触れることで木の温もりを知る機会を提供している。

 「詰め替えパウチ」にも「木望(きぼう)の未来プロジェクト」にも共通していることは「教育」だ。その場限りの環境活動で終わるのではなく、生活の中でそれを利用すること、学ぶことで、ものを大切にすること、無駄をなくすことを自然に習慣化することができる。結果として当然、ゴミの減量化や環境衛生に繋がる。生活の中でそれが当たり前になることが、日本人らしい何よりの環境衛生活動なのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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