NYの視点:FOMCは米9月の利上げに依然慎重か、Q2のGDP改善もQ3に不安残る

2015年8月28日 07:30

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記事提供元:フィスコ


*07:30JST NYの視点:FOMCは米9月の利上げに依然慎重か、Q2のGDP改善もQ3に不安残る

米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.7%増と、速報値の2.3%増から上方修正され、昨年7-9月期以降で最大の伸びを記録した。市場平均予想3.2%増、予想レンジの上限であったJPモルガン予想3.6%をも上回った。個人消費支出(PCE)、輸出、政府関連の支出、投資の伸びが拡大した一方で、輸入が減少したことが全体指数を押し上げたと指摘されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策方針である「指標次第」を忠実に実行するとなると、9月の利上げも選択肢となる。

しかし、GDPを押し上げた主要因は在庫が1362億ドルと、速報値の1240億ドルから過去最高水準に上方修正されたことだ。4-6月期の在庫の伸びは、今後、7-9月期、10-12月期、または2016年1-3月期の在庫の減少を示唆し、国内総生産(GDP)の成長の伸びの鈍化を意味する。米商務省がGDPを算出するために使用しているモデルと類似したモデルを使用しているアトランタ連銀の7-9月期GDP見通しは現在、前期比年率1.4%増。昨日発表された米国7月の耐久財受注が予想外に2ヶ月連続のプラスに改善したことを受けて、実質在庫投資の寄与度が若干改善したため7-9月期GDP見通しを従来の1.3%から1.4%に0.1%引き上げた。しかし、4-6月期の伸びから大幅に鈍化する見込み。4-6月期のGDPをFOMCメンバーは手放しで喜べない。今後の成長ペース鈍化の可能性を見込んで、FOMCは9月の会合での利上げを躊躇する可能性がある。《NO》

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