トマトの果実形成をエチレンが抑制していることが明らかに―筑波大

2015年6月16日 16:45

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トマトSletr1-1変異体が示す単為結果性による果実形成の過程。野生型の受粉していないめしべ(未受粉)は果実を形成しなかった。その一方で、Sletr1-1変異体とSletr1-2変異体は、未受粉めしべからも果実を形成した。受粉は開花当日(0日目)に行なった。スケールバーは1cm。(筑波大学の発表資料より)

トマトSletr1-1変異体が示す単為結果性による果実形成の過程。野生型の受粉していないめしべ(未受粉)は果実を形成しなかった。その一方で、Sletr1-1変異体とSletr1-2変異体は、未受粉めしべからも果実を形成した。受粉は開花当日(0日目)に行なった。スケールバーは1cm。(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

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  • トマトSletr1-1変異体の単為結果性果実。野生型、Sletr1-1変異体、Sletr1-2変異体の受粉もしくは単為結果によって得られた開花50日目の果実。Sletr1変異体は単為結果によって受粉した場合よりも小さな果実を形成した。Sletr1-1はエチレンの感受性が非常に低いため、果実の色づきが弱い特徴を持つ。スケールバーは1cm。(筑波大学の発表資料より)
  • 植物ホルモンが関わる果実形成メカニズムの概要を示す図。今回の研究によって、これまで明らかになっていた果実形成の促進メカニズム(黒線)に対して、エチレンが抑制的に働くことが明らかになった(赤線)。(筑波大学の発表資料より)

 筑波大学の有泉亨助教らの研究グループはトマトの果実形成を制御する新たなメカニズムを発見した。

 トマトは2012年に全ゲノム配列が解読され、果実に関する研究のモデル植物になっている。しかし、めしべで生成される様々な植物ホルモンの働きやバランスを調節するメカニズム、果実形成における役割についてはほとんど明らかにされていなかった。

 今回の研究では、トマトのめしべで生成されるエチレンの量は受粉後に減少すること、エチレンの働きは受粉やオーキシンによって抑制されることを明らかにした。さらに、エチレンと果実形成の関係を調べるために、受粉しためしべに対してエチレンの生成を促す前駆物質処理をしたところ、果実形成が抑制されることが分かった。

 一方、受粉していない めしべにエチレンの働きを阻害する薬剤を処理したところ、単為結果性の果実形成が起こることを発見した。

 また、様々なホルモン含量の測定や、ホルモンの代謝に関連した遺伝子の発現解析などから、受粉していないめしべではエチレンがジベレリン(果実形成を促す植物ホルモン)の生合成を抑制していることが示された。

 こうした結果から、受粉から果実形成に至るまでのメカニズムに、エチレンが抑制的に働いていることが初めて明らかになった。

 今後は、果実形成においてエチレンがジベレリンの代謝を調節する詳細な分子メカニズムを解明することや、農業生産においてエチレンの働きを抑制することで果実の生産性を向上させることが期待されている。

 なお、この内容は「The Plant Journal」に掲載された。論文タイトルは、「Ethylene suppresses tomato (Solanum lycopersicum) fruit set through modification of gibberellin metabolism」(エチレンはジベレリン代謝の調節を介してトマト果実形成を抑制する)。

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