京都府綾部を拠点に世界へ。産業用ホースのマザー工場が開所式を開催

2015年4月17日 13:16

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記事提供元:エコノミックニュース

住友理工グループの産業用ホース製造子会社・株式会社TRI京都が2015年4月16日、開所式を行った。来賓として参列した京都府副知事や綾部市長らを前に、住友理工の西村義明社長は、世界に向けたグローバル展開のマザー工場とすることを宣言した。

住友理工グループの産業用ホース製造子会社・株式会社TRI京都が2015年4月16日、開所式を行った。来賓として参列した京都府副知事や綾部市長らを前に、住友理工の西村義明社長は、世界に向けたグローバル展開のマザー工場とすることを宣言した。[写真拡大]

 2015年4月16日、京都府綾部市の綾部工業団地において、住友理工グループ<5191>の建設・土木機械向け産業用ホース製造会社である株式会社TRI京都が開所式を行った。同社は13年12月に設立され、翌14年10月より一部製造ラインの操業を開始している。現在のところ、従業員数は112名、工場の稼働率は70%前後だが、18年までに従業員数160名、稼働率90%以上、売上高51億円を目指す。

 綾部工業団地は、京都府が事業主体となる府営の工業団地で、昭和56年に京都府基本構想調査、第3次京都府総合開発計画に基づき造成された。大阪、神戸、京都の中心地へそれぞれ約1時間半で到達する好立地にありながら、巨大工場設営に適した広大な土地の確保が可能で、さらには舞鶴港へも近く、海外展開を行う企業にとっては最適なロケーションにある。しかも、今年7月には京都縦貫自動車道が全面開通する予定であることから、ますます便利になり、北近畿の物流の拠点となることが期待されている。

 16日に開かれた開所式では、神事の後に住友理工の西村義明社長がグループを代表して挨拶を行い、同社の小牧製作所や松阪製作所などの技術を綾部に集約し、TRI京都を同社の産業用ホース事業のマザー工場と位置づけ、これまで以上にグローバルな世界展開を積極的に行っていくことを強調した。住友理工では現状、日本を含む24カ国100を超える拠点での事業を展開しているが、産業用ホース事業ではとくに、中国市場の開拓に力を注いでいるようだ。14年12月に中国・上海市に産業用ホース販売子会社、住理工化工産品(上海)有限公司(略称:SRK-IPS)を設立しているが、こちらの代表を務める同社常務執行役員の立田力三氏が、5月1日付でTRI京都の社長に就任することからも、中国市場のシェア拡大に本格的に乗り出す姿勢がみてとれる。

 綾部工業団地には現在、TRI京都を含め、カルビー株式会社<2229>の綾部工場や、コカ・コーラウエスト株式会社、日東薬品工業など様々な業種の企業が参入しているが、TRI京都が成功を収めれば、関西圏におけるマザー工場に最適な工業団地として、製造業を中心に注目を集めることになりそうだ。(編集担当:藤原伊織)

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