コンビニが外食産業へのさらなる攻勢、迎え撃つ専業企業の明暗

2015年3月16日 10:51

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記事提供元:エコノミックニュース

コンビニエンスストアの外食産業への攻勢が続いている。従来からのレジ横でのおでんやから揚げに加え、より本格的な商品をそろえてきた。その場でドリップして販売するコーヒーに加え、専門店と見間違うばかりのドーナツの販売も開始した。

コンビニエンスストアの外食産業への攻勢が続いている。従来からのレジ横でのおでんやから揚げに加え、より本格的な商品をそろえてきた。その場でドリップして販売するコーヒーに加え、専門店と見間違うばかりのドーナツの販売も開始した。[写真拡大]

 コンビニエンスストアの外食産業への攻勢が続いている。従来からのレジ横でのおでんやから揚げに加え、より本格的な商品をそろえてきた。その場でドリップして販売するコーヒーに加え、専門店と見間違うばかりのドーナツの販売も開始した。専門店とコンビニエンスストアのドーナツを食べ比べると、味の優劣ではなく、好みの違いによって選ぶ段階にある。

 圧倒的な販売力を持つコンビニエンスストアの攻勢に、専門店の今はどうなっているのであろうか。迎え撃つ側の専業企業は明暗が分かれている。コンビニエンスストアの攻勢が続く中、コーヒー専業のスターバックス<2712>は収支を増加している。2013年3月期1165億2500万円の売上高を、14年3月期には125億6600万円に増やしている。これには主力商品の「スターバックス・ラテ」のリニューアルが大きく貢献している。

 ラテはコーヒーとミルク、この2つでできるとてもシンプルな飲み物である。この2つを両方とも見直した。ミルクは乳脂肪分を変更することで従来よりも口に入れたときのリッチさをアップし、コーヒー豆は流通を見直すことで鮮度を高めることに成功した。さらに、スターバックスは、全国25000人のバリスタ全員に技術トレーニングを施し、スキルアップも行っている。これらの変更や対策によってさらなる顧客の満足感を高め、コンビニエンスストアのコーヒーで広がった裾野を取り込むことに成功したのである。

 コンビニエンスストアのコーヒーにシェアを奪われたのが缶コーヒーである。こちらは巻き返しのために新商品を投入しヒット商品につなげた。コンビニエンスストアの攻勢に、専業企業は従来品のブラッシュアップ、新製品の開発で対抗しているのである。

 このような状況の中、新たに攻勢をかけられたドーナツ専業のミスタードーナッツ<4665>は、クロワッサンドーナッツやブルックリンD&Dなど新製品をを投入してコンビニエンスストアに対抗している。だが、コンビニエンスストアの販売力は外食産業にとって脅威である。

 販売合戦になると消耗戦になり、体力のある企業に軍配が上がるのは必然である。販売力で劣る専業企業がコンビニエンスストアの攻勢を退けるには、消費者の中に明確な棲み分けを作り出すことである。(編集担当:久保田雄城)

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