東芝燃料電池、山口県で次世代型の純水素型燃料電池システムの実証試験

2015年3月9日 14:52

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実証システムの外観(東芝燃料電池システムの発表資料より)

実証システムの外観(東芝燃料電池システムの発表資料より)[写真拡大]

 東芝燃料電池システムは9日、同社が開発した次世代型の純水素型燃料電池の実証試験を21日から順次開始すると発表した。燃料電池は、山口県周南市内の徳山動物園と周南市地方卸売市場に設置し、山口リキッドハイドロジェン、長府工産、岩谷産業と共同で実験を行う。

 今回、同社が開発した出力700Wの純水素型燃料電池は、同社製エネファームの開発で培った技術を応用し、世界最高水準の50%超の発電効率を達成している。また、水素をそのまま燃料とするためCO2を全く発生させずに発電できるほか、1~2分という短時間で発電を開始することが可能となる。同実証実験により2017年までに稼働データを収集するとともに運転方法や適用メリットなどを検証し、さらなる効率化を図る。

 このシステムを設置する徳山動物園や周南市地方卸売市場では、水素によって発電した電気を、施設の照明や空調などに利用し、発電の際に作られた温水は、動物や野菜の洗浄用シャワーなどに利用される予定である。

 今回の研究開発・実証試験は、山口県が2014年に公募した「平成26年度やまぐち産業戦略研究開発等補助金」において採択されたものである。

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