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千葉大など、スーパーコンピュータ「京」で宇宙線加速の謎を解明
(上段左)衝撃波の構造。色は電子密度、線は磁力線をあらわす。(上段右)一部領域の拡大図。(下段)電子が磁場の塊(灰色線)に衝突しながらエネルギーを獲得する様子(赤線)。背景色は磁場の紙面に垂直な成分の大きさをあらわす(Matsumoto et al., Science, 2015の図より)[写真拡大]
千葉大学の松本洋介特任助教らによる研究グループは、スーパーコンピュータ「京」を用いたシミュレーションによって、超新星残骸衝撃波を始めとする様々な天体衝撃波で高エネルギーの電子を効率よく生成することができるメカニズムを明らかにした。
超新星爆発の名残である超新星残骸やブラックホールから飛び出すジェットなどの天体における爆発現象では、電波からX線・ガンマ線にわたる様々な波長の電磁波が放射される。しかし、その具体的なメカニズムは解明されていなかった。
今回の研究では、スーパーコンピュータ「京」を使ってシミュレーションを行ったところ、超新星残骸衝撃波を始めとする天体衝撃波の波面で磁気リコネクションと呼ばれるプラズマ過程が起きることで、電子が効率的に加速されることが分かった。磁気リコネクションは太陽フレアやオーロラを引き起こすメカニズムとしてこれまで知られていたが、今回の研究によって初めて天体衝撃波における宇宙線加速においても重要な役割を果たすことが明らかになった。
今後は、本研究成果が、宇宙物理学の謎のひとつである「相対論的エネルギーを持つ電子の存在」の解明に繋がると期待されている。
なお、この内容は2月27日に「Science」に掲載された。
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