STマイクロ、エボラ出血熱の早期発見に向け高精度な携帯型検査キットを開発

2014年12月15日 20:47

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 STマイクロエレクトロニクスは15日、イタリアのクロニト社およびスパランツァーニ国立感染症研究所と共同で、エボラ・ウイルスを75分以内に検出できる携帯型(ポイント・オブ・ケア)検査キットの試作品を開発したと発表した。

 同社によると、今回の試作品は、イタリア保健省がエボラ出血熱に対応する医療機関に指定したスパランツァーニ国立感染症研究所による試験で、適切な国際規格に準拠していることが確認された。わずか数マイクロリットルの血液サンプルから極めて高い精度でエボラ・ウイルスを検出でき、その検出精度は最大100万倍に希釈した血液サンプルで確認されている。検査精度が高く、早期のウイルス検出が可能であるため、致死率の高いエボラ出血熱の感染拡大の防止に大きく貢献すると見られている。

 検査キット開発における次のステップは、大規模な普及に向けた最適化で、検体取り扱い時の感染の危険性を最小限に抑えることやコスト低減が含まれる。このポイント・オブ・ケア検査キットの開発は、エボラ・ウイルスをはじめ、より広範に蔓延しているその他多くのウイルスの迅速な検出と診断を実現するための一歩として注目される。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る

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