アールテック・ウエノ:創薬事業について、代表取締役社長眞島行彦氏が語る

2014年12月2日 16:59

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■第2四半期業績は、米国向けの納品の一部が下期にずれ込んだことに等もあり減収減益

 アールテック・ウエノ<4573>(JQS)の今期15年3月期第2四半期業績は、AMITIZA(R)カプセルの日本での販売が堅調であったが、米国向けの納品の一部が下期にずれ込んだことに加え、米国向けレスキュラ(R)点眼液の出荷が無かったことにより、減収減益となった。

 第2四半期業績は、売上高27億28百万円(前年同期比2.4%減)、営業利益4億11百万円(同42.3%減)、経常利益4億62百万円(同38.8%減)、純利益3億56百万円(同33.3%減)であった。

 利益面が大幅な減益となった要因は、網膜色素変性、重症ドライアイ、アトピー性皮膚炎や乾癬等の皮膚疾患に対する研究開発費が9億02百万円(同39.4%増)と大幅に増加したことで、営業利益以下が大幅な減益となった。

 同社は、新規医薬品の研究開発、医薬品の製造・販売、医薬品開発支援サービスを行っている。

 医薬品の製造・販売の売上高は26億64百万円(同2.1%減)であった。内訳は、レスキュラ(R)6億05百万円(同24.2%減)、AMITIZA(R)カプセル20億59百万円(同7.0%増)となっている。

 医薬品研究開発支援サービスの売上高は64百万円(同12.3%減)であった。  レスキュラ(R)、AMITIZA(R)カプセル共に納品の時期が期ずれしたことにより、計画を下回ったが、第3四半期には納品する予定であることから、通期では計画通りの売上を見込んでいる。

 そのため、通期業績予想は、当初予想を据え置いている。通期業績予想は、売上高57億63百万円(前期比2.6%増)、営業利益14億31百万円(同0.8%増)、経常利益14億34百万円(同2.9%減)、純利益10億03百万円(同5.5%減)を見込んでいる。

 業績の説明の後、今後の中長期の成長戦略として、創薬事業の現況について同社代表取締役社長眞島行彦氏より、詳しい説明が行われた。

 現在、網膜色素変性治療薬として開発中のウノプロストン(開発コード UF―021)点眼液が第3相臨床試験に入っており、13年10月に患者登録を終えている。約1年間経過を見るので、今年の10月に最後の患者への投与が終わり、データーを整理し、有効性を判断、薬の効果があるかどうか分るのは遅くとも来年の3月頃を予定している。その時良い結果が出れば、申請し、1年後の16年度には売上が立つと見ている。また、希少疾病用医薬品として申請中であったが、説明会後の11月25日に厚生労働省より正式に網膜色素変性を対象とする希少疾病用医薬品に指定されている

 希少疾病用医薬品指定の承認が出ると、支援措置として、1)開発助成金の交付、2)当局による指導・助言、相談料の減額、3)税制優遇措置(開発費の12%を税額控除額出来る)、4)優勢承認審査、手数料の減額、5)再審査期間の延長(最長10年間、この間独占的販売可)といったことが認められる。

 網膜色素変性治療薬として開発中のウノプロストン(UF―021)点眼液の市場性として、網膜色素変性の有病率が、5000人に1人と報告されており、現在の日本の総人口から患者数は約4万人と推定されている。全世界では、対象患者数は100万人を超えると見られていることから、新たな市場の開拓が出来る。  経済性については、治療薬がないので高薬価が期待され、市場の独占ができる。更に、希少疾病用医薬品に指定されることで10年間の独占販売が認められる。  適応拡大の可能性については、現在は網膜色素変性で開発しているが、加齢黄斑変性にも適応できると見られている。

 加齢黄斑変性は、初期病変であれば自覚症状もなく、この状態で経過することが多く、失明につながることはない、1998年のデーターによると日本の有病率は13.6%である。しかし、後期病変に進行してしまうと、失明につながる。後期病変には萎縮型加齢黄斑変性と滲出型加齢黄斑変性の2種類がある。萎縮型は、1998年のデーターでは、日本では約10万人いる。治療薬は現在ない。滲出型は33万人で、現在は35万人に増えていると思われる。治療法としては抗VEGFを目に注射して出血を止める方法とレーザー治療法の2つがある。米国では、後期加齢黄斑変性患者数は2004年で175万人、2020年には295万人になると予測している。市場としては、ヨーロッパも含めるとかなり大きいといえる。

 滲出型加齢黄斑変性を抗VEGFで治療し、出血を抑えると1年後には視力が改善するが、7年間の長期で見ていると徐々に視力が下がってきて、治療以前より悪化するということが分かっている。原因は治療後に地図状萎縮が出現し、それが拡大することである。

 患者にウノプロストン(開発コード UF―021)点眼液を点眼することで治療後の萎縮が抑えられるという臨床研究結果が、4月7日開催された第118回日本眼科学会総会で香川大学医学部眼科と岡山大学医学部眼科から発表された。また、11月15日に開催された第68回日本臨床眼科学会(神戸)でも抑制効果があるという報告が発表されている。医師の自主研究といわれるアカデミアの臨床研究においてもウノプロストンが、抗VEGF薬治療後の地図状萎縮の拡大に対して抑制効果があるということが発表された。この結果を受けて、同社では地図状萎縮に対する治療薬として、新たな開発パイプラインの検討を始めている。

 重症ドライアイについては、同社が11月10日にプレスリリースしているように、米国で、遺伝子組み換え人血清アルブミン(開発コードRU―101)点眼液に関する第1相/第2相臨床試験が完了している。アルブミンを点眼して、臨床開始から3カ月の経過を観察すると、症状は改善したことから、今後ライセンス活動を開始する予定。

 ドライアイの治療薬としては、抗炎症薬、保湿・水分補給薬、ムチン/水分分泌促進点眼液等が考えられる。  抗炎症薬としては、アメリカではRestasisが唯一承認されている。しかし、日本、欧州では未承認となっている。  保湿・水分補給薬は、ヒアルロン酸ナトリウム、人工涙液等がある。米国ではОTC(大衆薬)薬品であるが、日本ではヒアルロン酸ナトリウムは処方箋薬となっている。  ムチン/水分分泌促進点眼液については、日本でのみ承認された処方箋薬として、ジクアス、ムコスタがある。  遺伝子組み換え人血清アルブミン(開発コード RU―101)点眼液は、保湿、ムチン分泌による上皮保護、軽度の抗炎症作用の働きがある。もし、アメリカで承認されると、Restasisと併用することで、より効果的と見られている。米国での重症ドライアイの患者への臨床試験で改善がみられたことから、今後より重症な患者を中心にした開発および大手製薬会社へのライセンス交渉を進める予定。米国の場合、生物製剤の独占販売期間は12年間と認められている。12年間は後発医薬品が出てこないことから、遺伝子組み換え人血清アルブミン(開発コード RU―101)点眼液が承認されるとこれからの同社の業績に大いに貢献することになる。

 10月20日にリリースされたVAP-1阻害剤RTU―1096の第1相臨床試験に関して、VAP-1阻害剤RTU―1096は、白血球の細胞外遊走を阻止することで、抗炎症作用、免疫調節作用を持つと同時に抗酸化作用を持つ。皮膚科疾患であるアトピー性皮膚炎または乾癬をターゲット候補と考えている。

 以上のように、網膜色素変性治療薬として開発中のウノプロストン(開発コード UF―021)がオーファンドラッグに指定されたこともあり、今後の事業展開が一層拡大することが予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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