名大、新しい電気ロケットエンジン「ヘリコン静電加速推進機」を開発

2014年11月24日 17:46

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エンジンから排出されるプラズマジェットの様子(名古屋大学の発表資料より)

エンジンから排出されるプラズマジェットの様子(名古屋大学の発表資料より)[写真拡大]

 名古屋大学の佐宗章弘教授らによる研究グループは、三菱重工業と共同で、新しい方式の電気ロケットエンジン「ヘリコン静電加速推進機」を開発した。

 これまでのヘリコンプラズマ発生装置は、エンジン寿命を長くするために、プラズマに電極が接しないようにしていた。

 今回の研究では、あえて加速部に電極を配置することで加速電圧を有効にプラズマ加速に利用できる仕組みを開発し、「カスプ磁場」と呼ばれる磁場形状を利用して、プラズマの流れが直接加速部に配置した電極に当たらないようにすることに成功した。

 このように、磁場と電極を組み合わせて、電圧を使ってプラズマを加速させることに成功したのは世界で初めてのことで、考案したのは昨年度卒業した大学院生が考案したものである。

 なお、この内容は「Applied Physics Letters」にオンライン掲載された。

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