朝日ライフアセット速水氏、「無印良品」は成熟化する先進国だけでなく新興国でも共感(1)

2014年10月14日 11:47

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記事提供元:フィスコ


*11:50JST 朝日ライフアセット速水氏、「無印良品」は成熟化する先進国だけでなく新興国でも共感(1)
日本でも社会的責任投資(SRI)が注目されて久しいが、社会的責任にばかり眼が向いている感も否めない。そのような中で、朝日ライフ アセットマネジメントの『SRI社会貢献ファンド(愛称「あすのはね」)、チーフファンドマネージャー速水禎氏は、同投資の先駆けとして、R&I(格付け投資情報センター)が毎年発表するファンド大賞で、SRI・環境関連ファンドにおいて最優秀ファンド賞2014年まで5年連続を受賞している。8月末現在での過去1年のパフォーマンスも+22.7%と好調で、同期間のTOPIX+15.5%を上回って推移している。

好パフォーマンスの理由は事業の魅力度を徹底的に分析すること、その事業の中での競争優位性がどこにあるのかを見出す力量と言えそうだ。ビジネスを通じて社会貢献できる企業の中にこそ、責任を果たせる企業である可能性が高いというものは、投資パフォーマンスと社会的責任投資を両立させるための重要な視点であろう。


例えば、2014年8月末現在の「あすのはね」組み入れ比率2.9%%の良品計画<7453>。速水氏は良品計画に投資する前提として、専門小売店としての事業の魅力度を以下のように分析している。

■良品計画の事業の魅力度


国内の個人消費の成熟化と多様化が進む中、小売市場における従来の売り手主導から買い手主導への構造変化を背景に、小売業の主役が百貨店や総合スーパーなど衣食住にかかわる広範囲な商品を扱う業態から、消費者の特定のニーズへの対応を基本とする専門小売店に交代して久しくなります。専門小売店のタイプには、紳士服やホームセンターなど同一分野の商品を幅広く提供する業態や、いわゆる100円ショップなど低価格を志向する業態、価格よりも商品やサービスの満足度を重視する業態、他所では見つからない個性的な商品の提供を追求する業態など、さまざまタイプが存在します。


また専門店の中には、特定の分野で圧倒的な品揃えと低価格で大量に販売することで、経営効率を高めながら成長するカテゴリーキラーと呼ばれる業態も含まれます。カテゴリーキラーが登場すると、同じ商圏内の当該カテゴリーの競合店では売上が低下し、事業の縮小や撤退に追い込まれることが多いことから、このように命名されています。


その中でも特に衣料品分野において、多様化し変化の激しい経営環境の中で生まれたのがSPA (Speciality store retailer of Private label Apparel)という業態です。SPAでは店頭での売れ行きなどから多様化する消費者ニーズに関する情報を分析把握し、それを商品企画に反映していきます。同時に購買者のターゲットを絞り、商品コンセプトを明確にし、消費者の購買意欲を喚起する広告宣伝を打っていきます。また中国を中心とした海外製造拠点を直接コントロールすることで製造業の一面もあわせ持ち、在庫管理や物流管理なども徹底して効率化していく経営手法です。


SPAの業態でグローバルに成功している代表的な例としては、GAP(米国)、ZARA(スペイン)、H&M(スウェーデン)、ユニクロ(日本)などがあります。このような成功例の共通点には、強いブランド力、需要変化への迅速な対応力、グローバルな製造調達能力、さらにグローバルに通用する統一された企業文化などがあげられますが、その本質を突き詰めれば、消費者の嗜好の多様化や商品の陳腐化が早い事業環境の中で、売れる商品を、売れるときに、売れる場所で、売れる価格で、売れる数量を提供する小売業としての高い経営能力に行きつきます。


これと反対に小売業において売れ筋商品の見通しや在庫管理を誤ると、店舗では売れ筋商品が欠品し販売機会を逃すとともに、売れ残り商品が過剰在庫として溜まっていきます。そして日に日に商品鮮度が低下していく売れ残りの在庫が売り場の停滞を招き、最終的には予定外の値下げ販売などを通じて、小売業の収益を圧迫していきます。こうした観点から見れば、小売業の経営にとって、売れ筋商品の見極めと在庫管理能力が極めて重要であることがわかります。


一方、小売市場の成熟化や多様化などの環境の変化が、消費者の価値観やライフスタイルに変化を及ぼし、それが消費行動にも影響を与えていることも見逃すことはできません。生活の快適性や利便性が向上する中で、消費者は単に欲しいものや必要なものを、それに見合った価格もしくは値ごろ感のある価格で求めるニーズに加えて、それぞれの商品に対して自分の価値観に合ったメッセージ性を求めている動きも生まれてきていると言えるでしょう。地球環境への配慮、家族の絆、社会への参画意識などの面で価値を提供することで、商品を通じて消費者の感性に訴え、共感を得ていくことも、これからの小売業にとっての重要な成功要因になると考えられます。《FA》

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