プルミエール・ビジョン初 2015春夏トレンドを直前予測

2014年9月7日 22:55

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記事提供元:アパレルウェブ

 SS15の際立つポイントや色、方向性などについて、テキスタイルの国際見本市「プルミエール・ビジョン」(以下PV)トレンド委員長パスカリーヌ・ウィルヘルムが直前予測を発表し、プレスと意見交換をする初の試みがパリで行われた。

 この予測は今年2月のPV直後に出展社から得た集計結果と、欧米を中心とする主要バイヤーに去る6月にシーズントレンドを尋ねたアンケート結果を加えてまとめたもの。「そのため2月にPV会場で発表したものよりも、より市場に近い予測となっている」(同委員長)という。

 同委員長は冒頭、ある世界的なPCメーカーが行った中学生から成人を対象とした大掛かりな統計で、70%が「触って操作できるものが大事と答えた」例を挙げ、「現代の消費者にとって、タッチつまり触感の重要度が増している」とし、ファッションにおけるSS15は「軽く、やわらかく、丸みがあり、思慮深い。ノイズが少なく、コミュニケーションの際、叫ぶ必要のない、過剰なものがより取り除かれたシーズン」と定義。情報源と創造性の多様化にくわえ、フィクションと現実、文化や言語、男女、老若などさまざまな境界線の融合が進むとした。

 「ハーモニー」というテーマのもと示されたカラーグループは4つ。多種多様なブルー、生き生きと主張しコントラストで遊ぶカラー、明度の高い幅広いグレーをベースとしたトーン、砂がかかったようなしかし丸みのあるパステル。

 生地で見られたのは5つの特徴だ。1つめはエアリー。重ねや透明さ、透け感などをさまざまに駆使して軽さを出す。レーザーカットや刺繍のカットアウトなども依然として続いている。2つめは動く表情を持つ表面。あえて不完全または不規則にした織り地やデザイン、重さにコントラストを出したクレープなど。3つめは夏向けの二重(ふたえ)とリバーシブル。同委員長によれば「脆い薄手の生地同士を特別な技術で張り合わせたものなど、この流れはとても強い。生地メーカー各社の創造力の伸びには目を見張るものがある」という。4つめは、ピケなど構築的な表面の視覚的効果を強めたもの。さまざまな工夫で平らでない特徴を主張している。5つめは既存のテクニックの最新化。メッシュ、ストレッチなど既存の技術や機能が、細分化が進むそれぞれのニーズに、より的確に沿うよう開発されている。

(C)Premiere Vision

 デニムのトレンドにおいては、まず織り地の構成の複雑化および意匠性の高まりが加速し、平坦な表面は極めて少なくなるという。カラーではグレーを基調とした動きが強い。洗いや脱色加工では、「日焼けして色あせてしまったような、とてもクリエイティブな加工」(同委員長)が注目されるようだ。技術開発が続くインディゴ生地では「ニットデニムやルーズなシルエットのデニムが更に広がっていく」(同委員長)と指摘した。

 雑貨や資材では、リボンや革ヒモなどさまざまに「結ぶ」エレメント、新しい打ち出しのフリンジ、3D効果を生むピケ、メッシュ、エンボス加工、濡れているように見えたり、しずくのように見えたりと水をイメージする加工などが特徴として挙がった。

Text by: Rumiko Kuse (Luminateo Inc.)

▼プルミエール・ビジョン 公式サイト
http://www.premierevision.com/

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