【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アールシーコアは5月安値から切り返し、消費増税の影響を織り込む

2014年6月18日 09:08

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ログハウス(丸太組み工法住宅)のアールシーコア <7837> (JQS)の株価は、今期(15年3月期)減益見通しを嫌気して水準を切り下げたが、5月21日の安値930円から切り返しの展開となり、足元では1050円近辺まで戻している。消費増税前駆け込み需要の反動影響を織り込み、売り一巡して戻り歩調の展開だろう。足元で4%近辺の高配当利回りも支援材料だ。

  ログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売(国内直販部門と販社部門、および連結子会社のBP社)、カントリーログハウスなどキット部材の製造販売(北米部門)を展開し、東京・代官山の「BESSスクエア」と神奈川県の「BESS藤沢展示場」の直営展示場2拠点も運営している。

  中期経営計画では、目標数値として17年3月期の契約棟数1900棟、売上高180億円、営業利益率8%、ROE18%を掲げ、重点戦略としてBESSブランドの深耕、営業拠点と営業員の拡充、展示場50拠点展開などを推進している。

  今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)については、売上高が前期比5.1%増の127億円、営業利益が同66.6%減の3億円、経常利益が同67.0%減の3億円、純利益が同68.8%減の1億80百万円で、契約棟数は同8.7%増の1100棟、契約高(受注高)は同2.7%増の119億90百万円の計画としている。また配当予想は同2円増配の年間42円(第2四半期末20円、期末22円)としている。

  売上面では、消費増税前の駆け込み需要の反動減の影響を受けるが、前期末の契約残高(受注残高)が前々期末比11.9%増の67億33百万円と高水準であり、新規販社拠点の増加なども寄与して増収見込みとしている。利益面では、資材価格上昇や職人不足に伴う原価上昇傾向が継続するとともに、商品競争力の強化、BESSの営業スタイル再徹底、拠点の拡充、既存拠点の移転拡大など、経営資源の集中投下に伴う費用増加で減益見込みとしている。

  前期の全国BESS展示場への新規来場者数は前々期比14.8%増の2万6567件となった。自然派志向の高まりも追い風として全国BESS展示場への新規来場者数は増加基調であり、消費増税の影響で一時的な反動があっても、全国的な宣伝効果、ブランド知名度深耕効果、新規拠点開設効果、新モデル投入効果、高付加価値化効果などで中期的には収益拡大基調だろう。

  株価の動きを見ると、今期減益見通しを嫌気して水準を切り下げたが、5月21日の安値930円から切り返しの展開となり、6月16日には1050円まで戻した。消費増税前駆け込み需要の反動影響を織り込み、売り一巡して中期成長力を評価する動きだろう。

  6月17日の終値1048円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円53銭で算出)は25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は4.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS921円87銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破して、強基調へ転換の動きを強めている。高配当利回りも支援材料であり戻り歩調の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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