いよいよ電気で動く宅配便が日本の街を走る 最初に採用するのは「クロネコ」か「飛脚」か、はたまた……?

2014年6月11日 10:40

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記事提供元:エコノミックニュース

6月9日に国内発表となった電気自動車の日産製商用車「e-NV200」。価格はバンが388万440円から407万8080円。乗用車のミニバンが462万4560円から478万6560円。写真後方のブルーのクルマは言わずと知れた「リーフ」

6月9日に国内発表となった電気自動車の日産製商用車「e-NV200」。価格はバンが388万440円から407万8080円。乗用車のミニバンが462万4560円から478万6560円。写真後方のブルーのクルマは言わずと知れた「リーフ」[写真拡大]

 日産が、電気自動車(EV)のコマーシャルバン「e-NV200」を世界で初めて発売する。国内では2014年10月からの発売となる。生産はスペインのバルセロナ工場で行ない、日本国内では輸入車としての扱いとなる。

 「e-NV200」は、多目的コマーシャルバン「NV200バネット」をベースに、日産の電気自動車(EV)「リーフ」のパワートレインを組み合わせることで、「NV200」の室内の広さや多用途性、電気モーターの大トルクを活かした加速性と静粛性を兼ね備える。また5人乗り/7人乗りのワゴンも設定しているので、EVのミニバンとして活用することも出来る。当然、タクシーとしての活用も可能だ。

 新型「e-NV200」の最大の特徴は「ゼロ・エミッション」だ。CO2を一切排出しない。現状で日本は火力発電所が作った電気で活動しているので、EVのゼロ・エミッションは説得力に欠ける。が、「e-NV200」は、グローバル販売累計11万5000台以上を販売した「日産リーフ」に続く2車種目の量販EVである。環境対策で問題を抱える都市部で使うことで、ガソリンエンジンなどの内燃機関の商用車よりもランニングコストが安く、密集地での騒音逓減や環境へ与えるインパクトの軽減という側面から、運用する企業のイメージアップに繋がることを日産はアピールしている。

 「e-NV200」は、パワープラグを採用しているので、屋外で電源供給が可能となる。走る蓄電池として、さまざまなビジネスシーンに役立てることが可能だ。走行用バッテリーから合計で最大1500Wの電力を取り出すことができるパワープラグ(100Vコンセント)を、前席側と荷室側の2カ所に設置。ビジネスにおける外出先での電源確保や、屋外イベントを実施する際や災害時の電源としても活用することが可能となる。またパワープラグは、自動停止するバッテリー残量を任意に設定することが可能で、帰りの走行電力を設定して安心を担保する。

 バッテリーをフロア下に搭載していることによる低重心化によってコーナリング時のふらつきやステアリング操作からの応答遅れを低減。また、サスペンションの高剛性化や適切なセッティングにより長時間乗っても疲れにくく、荷物をたくさん積んでも快適な走行が可能となったという。荷室スペースはバッテリーを小型化し、床下に配置したことでNV200バネットと同等の容量を確保。EVのスムーズで力強い加速性能や静粛性は、ドライバーの疲労を軽減し、より安全な業務運行を実現するとしている。

 ステアリングヒーターやクイックコンフォートヒーター付シート(運転席&助手席)を標準装備し、快適さを保ちながらエアコン使用を抑制。電力の節約を図っている。リーフで好評だった携帯電話やパソコンから操作ができる「乗る前エアコン」の操作は、新型「e-NV200」はインテリジェントキーからも行なうことが可能となった。

 気になる航続距離は、油圧式制御ブレーキの採用により、多くの制動シーンでエネルギーを回生、満充電時に185km~190km(JC08モード)を実現したという。(編集担当:吉田恒)

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