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東工大、磁場中の高温超伝導の実態を明らかに
今回得た実験データを臨界スケーリングと呼ばれる手法で解析した結果。様々な温度と磁場における抵抗率の測定結果(左図)は、2つの曲線のいずれかにスケールし(右図)、その境界磁場として量子臨界点が求まった。(東京工業大学の発表資料より)[写真拡大]
東京工業大学の笹川崇男准教授らは、高磁場中・絶対零度を含む超伝導現象の実態を明らかにした。
超伝導現象は、電気抵抗がゼロになる現象で、消費電力なく電流を流すことができるため様々な分野での応用が期待されている。これまでの研究で、大きな電流を流すと磁場が発生し、その磁場が原因で超伝導現象が起きなくなってしまうことが分かっているものの、その全貌は謎のままであった。
今回の研究で笹川准教授らは、ランタン-ストロンチウム-銅の酸化物からなる高温超伝導体を18テスラという高磁場、そして0.09ケルビンという極めて低い温度まで、それぞれ変化させながら電気抵抗を測定した。
その結果、抵抗率と温度の関係は全てのデータが2種類の曲線上に乗ることを明らかにした。また、これにより、従来は一つのみ存在すると考えられていた量子臨界点がもう一つ存在し、絶対零度であれば比較的高い磁場(これまでの臨界点の4倍)まで超伝導現象が起きることが分かった。
これによって、高温超電導への理解が進んだだけでなく、応用分野への活用も期待されている。
この研究成果は、「Nature Physics」のオンライン先行版に掲載されている。
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