東レ、日本とタイでCFRP部品の生産能力を増強 需要拡大に対応

2014年5月9日 15:49

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 東レは9日、昨年4月に子会社化した東レ・カーボンマジック(TCM)とカーボンマジック(タイランド)(CMTH)で、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)部品の生産能力を増強することを決定したと発表した。CFPR部品の需要拡大に対応する。日本とタイで設備を導入し、2014年下期から2016年にかけて順次稼動を開始する予定という。

 TCMは米原本社工場敷地に建屋を増築して試作・少量生産拠点としての機能を拡充する。また、CMTHでは現工場と同じシラチャSahaグループ工業団地内に新たに約2万2,000平方メートルの敷地を賃借し、将来の拡張も考慮した、成形から塗装までの一貫量産新工場を建設する。

 東レは昨年4月に、童夢グループから童夢カーボンマジック(現TCM)の全株式を取得し、同時に、タイの生産拠点である童夢コンポジット・タイランド(現CMTH)の株式の75%を取得して子会社化した。

 東レグループの傘下に入って以降、TCMの設計技術力とCMTHの量産コスト競争力に、同社の高品位材料競争力が加わったことで市場からの評価・期待が高まり、プレミアムカーや二輪バイクなどTCMが従来から得意とする分野だけでなく、航空機や列車、車椅子や義足といったライフイノベーション関連などの新規分野でも設計・試作・量産依頼が急増しているという。

 東レグループでは、TCMをコンポジット事業の中核拠点として位置づけ、独Euro Advanced Carbon Fiber Composites(EACC)や米Plasan Carbon Composites(PCC)の海外拠点と連携して、自動車分野に留まらずCFRP部品の市場開拓・適用拡大を目指している。併せて、2月に買収が成立したZoltek Companiesのラージトウ炭素繊維を含め、川上の炭素繊維から川中の中間基材、川下のCFRPコンポジットに至るサプライチェーンを拡充することで、4月からスタートした新中期経営課題で掲げた炭素繊維複合材料事業の飛躍的な事業拡大を実現していくとしている。

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