株価・景気にあまりにも配慮がなかった黒田日銀総裁発言

2014年4月14日 08:00

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記事提供元:フィスコ


*08:00JST 株価・景気にあまりにも配慮がなかった黒田日銀総裁発言
先週の日銀金融政策決定会合後の黒田日銀総裁の会見を受けて、日経平均株価は14000円を割るところまで大きく下落した。黒田総裁が物価目標の達成に自信をみせ、消費税増税後の落ち込みもカバーして日本経済は緩やかな回復軌道に乗る見通しから、「現時点では追加緩和の必要はない」と発言したことが要因だ。同時にリスクが顕在化した場合は躊躇なく金融政策の調整を行うとも述べたが、総じて楽観的・強気な発言を繰り返した。
 しかし、企業や消費者の見通しは非常に慎重である。消費者態度指数も先行きに関しては大きな落ち込みを見せている。消費税増税後の駆け込み需要の反動や落ち込みについて、国民の多くの見方は日銀の見方と大きく乖離している。消費増税の影響が軽微で終わる保証はどこにもないし、黒田総裁があそこまで強気な根拠も詳らかではない。
 日銀の第一の任務は物価の安定だが、それだけではない。物価が上がって物価目標に近づくといっても、円安による原材料の高騰や消費増税の影響が原因では良い物価上昇ともいえない。 今回の発言も、仮に消費税増税後の落ち込みが想定よりきつかった場合に、日銀がどの程度の準備をしているのかについてもう少し重点を置くべきではなかったか。
 米国ではイエレンFRB議長が量的緩和終了後6ヶ月程度で利上げを開始するかもしれないとうっかり口を滑らせたことで株価が大きく調整したことを受けて、その後緩和継続の発言で修正を図ったが、黒田総裁も今後ある程度発言内容のトーンを修正してくるかどうかに注目が集まる。政府もこの点を非常に重要視しているため、早速黒田総裁と安部首相との会談もセットされた。《YU》

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