(中国)「香港株直通車」に中国指導部は二の足、新たな腐敗の温床となる可能性も

2014年4月9日 15:00

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記事提供元:フィスコ


*15:00JST (中国)「香港株直通車」に中国指導部は二の足、新たな腐敗の温床となる可能性も
先週の中国本土、香港の両市場では、本土の個人投資家に香港株投資を認める「香港株直通車」構想の実現に向けた新たな一歩が伝わった。上海と香港の両証券取引所がネットワークの相互接続で合意したとの観測報道が流れたのだ。香港証取はその後、「合意はまだ」とのコメントを発表しているが、市場では同構想がいよいよ始動するとして期待感が高まる場面があった。

しかしながら、香港株直通車の実現には中国の最高指導部が二の足を踏んでいるとの見方も示されている。同構想が最初に提示されたのは2007年だが、中国経済をとりまく環境はその後大きく変化しており、新たな課題に直面しているためだ。

まず第1に、習近平国家主席をリーダーとする新指導部が、汚職の取り締まりを全面的に推進していることが挙げられる。本土と香港の証取の相互接続が実現した場合、マネーロンダリングの新たなルートとして活用される恐れがある。

次に、米国の量的緩和の縮小も不安材料となる。新興国からの資金撤退が進む中、香港直通車の実施によって中国からの資金流出が加速する可能性がある。仮に投資枠の設定によってその規模を抑えたとしても、投資家が抱く見通しには一定の影響を及ぼすとみられている。

中国が進める人民元の国際化において、香港株直通車が重要な過程の一つとなることは間違いない。しかしながら、どのタイミングで実施に踏み切るかについては、中国指導部も頭を悩ませているようだ。《NT》

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