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ケリー米国務長官、韓国外相と会談
5日間のアジア歴訪を開始したケリー米国務長官は13日、最初に韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領や尹炳世(ユン・ビョンセ)外相らと会談した。ケリー長官は14日には中国で北朝鮮対策などを協議し、15日にはインドネシアで気候問題について演説する予定だ。
各紙は、何をするかわからない北朝鮮と、領土主張を強める中国に対抗するため、米国は同盟国である日韓を協調させたがっていると解説する。一方、中国訪問時は一転して、北朝鮮のよりどころである中国に対し、協力を求めることになる。
【米韓演習を否定しなかった北朝鮮】
しかし前日の12日、韓国と北朝鮮は、20日~25日に予定されている朝鮮戦争の離散家族再会に関して、朴槿恵政権では初となる高レベル会談を行っていた(ケリー長官はこれについて韓国から説明を受けたという)。会談の際、北朝鮮は、24日から予定されている米韓合同軍事演習について、日程の重複を避けるためだとして、数日間の延期を提案した。
ワシントン・ポスト紙はアナリストらの間に、珍しい南北会談による雪融け期待も、米韓合同軍事演習でひっくり返る懸念があると報じている。一方ニューヨーク・タイムズ紙は、北朝鮮が演習の実施自体に異を唱えず、延期しか求めなかった点に注目する意見を紹介した。
ケリー長官は、人道問題と安全保障問題は別だとして、延期を認めない考えを示した。尹炳世外相も、「これについて韓国と米国に全く違いはありません」と追随した。韓国と北朝鮮は14日、再度の協議を行うという。
【米韓、同床異夢?】
日韓は昨年末、安倍首相の靖国参拝に伴って、もともと問題のあった関係が一層悪化していた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によるとケリー長官は会見で、米国が日韓の仲裁に入ることを否定し、「歴史を脇に置いて関係を前進させることは、日本と韓国次第です」と述べた。そしてその同じ会見で、尹炳世外相は「歴史的に不正確な発言」「修正主義者の歴史」などと日本を全面批判する始末であり、ワシントン・ポスト紙はケリー長官の言う和解が「いかに難しいかを明らかにした」と皮肉った。
【張成沢処刑を憂慮する中国】
中国については、北朝鮮の一連の挑発的言動や核実験強行、そして金正恩第一書記の叔父でナンバーツーとされた張成沢氏の処刑などに、警戒を強めているとケリー長官は考えているようだ。ただしワシントン・ポスト紙はむしろ処刑以来、中国から北朝鮮への辛口評価は下火となっており「様子見モードに入った」、との専門家の観測を伝えている。
ウォール紙によるとケリー長官は、これまで1年越しの自身の努力を擁護しつつも、「頑固に反抗的な」平壌を譲歩に動かせていないことを認めた。ケリー長官は「北朝鮮のあらゆる自動車や飛行機を動かす精製燃料はすべて中国から来ています。世界とつながったあらゆるファンダメンタルや基本的銀行構造は、中国を経由します。大きな貿易や援助が中国から北朝鮮に行っています」と、中国より北朝鮮に影響力を持つ国はないと訴え、「自由に使えるあらゆる手段を使用する」よう中国に促していくと表明した。
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