NYの視点:米9月雇用統計への憂鬱

2013年10月3日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:02JST NYの視点:米9月雇用統計への憂鬱

米国労働省は米国政府機関がオープンした場合、ワシントンで4日に9月の雇用統計を発表する予定だ。投資家はここに来て足踏みしている米労働市場に不安を隠し切れないでいる。

米国の大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(オートマティック・データ・プロセッシング社)が発表した民間部門の雇用状況をあらわすADP雇用統計の9月分は前月比16.6万人増と、市場予想の18万人増を下回った。8月分も17.6万人増から15.9万人増へ下方修正された。

この指標は先行指標の中でも米労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとされているため、米9月雇用統計が思ったような雇用の改善を示さないのではないかとの警戒感が浮上。10月1日から本格的にオバマケア(雇用改革法案)が施行されたが、中小企業から大企業にわたり健康保険を支給する義務を免れるため、従業員の労働時間を削減、または、臨時雇用者の数を削減する傾向が見られる。今後の労働市場に影響を与えかねないとの懸念も強い。

米国政府機関閉鎖に加え、債務不履行に陥る可能性が上昇したことなどから、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を縮小するとの思惑は大きく後退。逆に、追加資産購入を強いられるとの見方もある。当初は米FRBによる年内のQE縮小は確実と見られていたが、一部のアナリストはQE縮小の開始時期の見通しを2014年の第1四半期に先送りしている。

2013年の投票権を持つハト派のローゼングレン米ボストン連銀総裁は、「強く、明白にQE縮小見送りの決定を支持する」「一貫して、異例な金融刺激策を支持」と述べ、財政協議での衝突を受けてQE縮小の見送り決定の正当性を主張した。

利上げの時期に関しては、FRBメンバーをはじめ大方のエコノミストは2015年に予想している。しかし、米有力債券ファンド運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)の最高投資責任者(CIO)であるビル・グロス氏は2016年まで利上げはないと見ているようだ。

現時点で、市場エコノミストは9月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比18万人増と、4月以来で最大の伸びを予想している。ただ、米労働省は政府機関閉鎖が続いた場合、4日に予定している9月雇用統計の発表を見送る方針をすでに明らかにしている。

●9月雇用統計先行指標

■米9月ADP雇用統計
前月比+16.6万人(予想:+18万人、8月:+15.9万人←+17.6万人)

■米ISM製造業景況指数:
雇用:55.4(8月53.3)

■シカゴ購買部協会指数(PMI)
雇用:53.2(8月54.9)

■フィラデルフィア連銀景況指数
◎現況
雇用者数:+10.3(8月+3.5)
週平均就業時間:+12.2(-2.6)

◎6ヶ月見通し
雇用者数:+31.0(+22.3)
週平均就業時間:+16.2(+15.0)

■リッチモンド連銀製造業景況指数
◎現況
雇用者数:-6(8月+6)
週平均就業時間:-4(+8)

◎6ヶ月見通し
雇用者数:+17(+9)
週平均就業時間:+8(+10)

■NY連銀製造業指数
◎現況
雇用者数:7.53(8月10.84)
週平均就業時間:1.08(4.82)

◎6ヶ月先の見通し
雇用者数:+4.30(+8.43)
週平均就業時間:-2.15(-6.02)

■消費者信頼感指数
◎現状
雇用
十分:11.5%(8月11.3%)
不十分:55.8%(55.4%)
困難:32.7%(33.3%)

◎6ヶ月見通し
・雇用
増加:16.9%(17.5%)
減少:19.7%(17.2%)
不変:63.4%(65.3%)

・所得
増加:15.4%(17.5%)
減少:14.6%(13.5%)
不変:70.0%(69.0%)

●市場エコノミスト米9月雇用統計予想
失業率:7.3%(8月:7.3%)
非農業部門雇用者数:前月比+18万人(+16.9万人)
民間部門雇用者数変化:前月比+18.2万人(+15.2万人)《KO》

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