(中国)統計データの水増し問題:鉱工業生産4倍で報告する地方政府も

2013年6月17日 15:12

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記事提供元:フィスコ


*15:12JST (中国)統計データの水増し問題:鉱工業生産4倍で報告する地方政府も
中国の経済統計データはとかく信頼性が低いと言われる。17日付の現地メディアによると、広東省中山市の横欄鎮(鎮=地方行政の最下級単位)でこのほど、鉱工業生産を4倍弱に水増しして報告していたことが発覚した。

横欄鎮の報告では、工業企業71社の鉱工業生産が85億1000万元(約1360億円)とされていた。しかしながら、国家統計局の調査の結果、実際は22億2000万元(約360億円)にとどまることが分かったという。

国家統計局は昨年3月から、統計データの水増しに対する監視を強化しており、複数の地方行政単位でデータの粉飾が発覚していた。こうした水増しが発生する背景には、地方政府幹部の人事考課において、域内総生産(GDP)など経済的な成果が重要な判断基準となることが挙げられる。

ちなみに、中国の現首相である李克強氏は遼寧省のトップを務めていた2007年当時、「中国のGDP統計は人為的で信頼できない」との見解を示していたことが明らかとなっている(内部告発サイト「ウィキリークス」より)。景気減速が懸念されながらも7%台の成長率を維持している中国だが、「本当はゼロ成長に近いのでは」との見方もある。《NT》

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