注目銘柄ダイジェスト(前場):川崎重工、グリー、北海道電力など

2013年6月14日 11:34

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記事提供元:フィスコ


*11:34JST 注目銘柄ダイジェスト(前場):川崎重工、グリー、北海道電力など

川崎重工<7012>:318円(前日比+12円)
大幅反発。三井造船<7003>との経営統合交渉の打ち切りを発表している。同時に、臨時取締役会を開催して、長谷川社長の解任も発表している。造船業界の再編の必要性は指摘されているものの、統合比率などディスプレミアムへの警戒感もあっただけに、プラス材料として捉える動きが先行のもよう。突然の社長交代に関しても、メリルリンチ(ML)では、グローバル成長事業出身者が主流派になるため、想定外の構造改革などが進む可能性もあるとみているもよう。なお、三井造船は小幅な上昇にとどまっている。

グリー<3632>:857円(同-82円)
さえない。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価も1400円から1000円に引き下げている。国内推定コイン消費額の底入れが遅れており、新タイトル投入は増えるものの、大底の時期は未だ見極めにくいと指摘。大胆な固定費削減策なしに来期の営業増益を描きにくくなったこと、大胆な株主還元も期待しにくくなったことなどもマイナス視。

北海道電力<9509>:1215円(同+40円)
しっかり。本日は電力株が全面高の展開に。シティではセクター判断を「やや弱気」から「やや強気」に引き上げ、値上げ進展や原発再稼働、自民党政権の後押しの可能性など、好材料の蓋然性は高まりつつあるとの指摘。個別では5社の投資判断を格上げ、とりわけ、泊3号機の1年以内の稼働を見込む同社は買い推奨にまで格上げ、東北電力<9506>と並ぶ最上級評価としている。

セイノーHD<9076>:760円(同+43円)
買い優勢。バークレイズでは投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も740円から1000円に引き上げている。物流、自動車販売ともにトップラインが堅調なこと、子会社における収益改善への取組み、保有不動産の有効活用期待などを評価しているようだ。福山通運<9075>との提携拡大も、運賃交渉や共同配送などの面でメリットを期待と。

新川<6274>:771円(同+44円)
上昇が目立つ。三菱UFJでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価を500円から910円に引き上げている。生産、営業、開発体制の強化も進め、事業体質は着実に改善しているとして評価を高めているようだ。タイ工場操業開始に伴う原価低減、円安による価格競争力の回復で業績予想を上方修正。来期は2008.3期以来の営業黒字を予想としている。

ザッパラス<3770>:67200円(同-9900円)
急落。同社は前日に前4月期の決算を発表している。営業利益は14.2億円で前期比45%減益、第3四半期決算時に下方修正した水準での着地となっている。今期も10億円で同30%減益の見通し、四季報予想25億円などの水準を大きく下回る格好になっている。また、今期の年間配当金は2200円を計画、前期の4200円からは大幅な減配となる格好に。高利回り銘柄として位置づけられていただけに、大幅な減配にはネガティブな見方も強まりやすい。

3Dマトリックス<7777>:4805円(同+210円)
大幅高。昨日は本決算を発表し、今期営業損益は16.6億円の黒字転換見通しとなったことが好感されている。吸収性局所止血材は臨床試験を終了し、2011年5月の製造販売承認申請後、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)による審査が継続しており、今期中の承認取得を見込んでいる。前期は、吸収性局所止血材の承認取得に伴うマイルストーン収入の期ズレによって一時的に業績が落ち込んだが、今期の業績拡大見通しが示されたことで買い安心感が高まっている。

ケンコーコム<3325>:255400円(同+600円)
買い一巡後は伸び悩む。マツキヨHD<3088>などドラッグストア大手が、副作用リスクの高い一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売に相次いで参入すると報じられている。これまで慎重だったドラッグストア大手が乗り出すことで、薬のネット販売が本格拡大し、低価格化にもつながりそうだと伝わっているが、同社については競争激化懸念が意識される格好に。

JIN<3046>:4540円(同-80円)
上値重い。クレディ・スイスでは投資判断「アウトパフォーム」を継続したものの、目標株価を6400円から6100円へと引き下げている。3-5月業績は好調と予想しているが、広告宣伝費支出が想定以上であったことなどにより、直近の業績想定を若干下回る見通しと。今期の営業利益予想については80億円から74億円へと減額修正へ。なお、6月の既存店売上が前年超えを達成すれば、株価反発の契機となるともコメントしている。

クルーズ<2138>:370000円(同+53500円)
大幅反発。同社やガンホー<3765>、コロプラ<3668>など、ゲーム関連株が堅調。地合い好転を背景に、直近で換金売りに押されていた好業績のゲーム関連株に見直し買いが向かっている。また、本日は四季報の発売日となるが、同社については前期営業利益の19.2億円に対して今期は30.0億円が見込まれており、あらためて業績拡大期待も高まっているようだ。《KO》

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