関西テレビや博報堂DY、企業・視聴者参加型ドラマをネット配信

2013年5月2日 18:21

印刷

 関西テレビ、コクーン、アソビシステム、博報堂DYメディアパートナーズは2日、プロダクトプレイスメント(協賛企業の商品をドラマ劇中で登場させる広告手法)やソーシャルメディア、ECなどを活用した、企業・視聴者が参加して完成する共創型ドラマ「Co-Creationドラマ(以下Cドラ)」を共同で制作し、5月2日よりインターネットを通じて配信すると発表した。

 「Cドラ」では基本となるシナリオに大きな変更を加えず、ドラマ映像を複数回更新しながら配信する。初回は、家具・家電・調度品・小物など、劇中で登場する商品が視聴者に特定されない映像を配信。その後に協賛企業の募集を開始し、協賛決定した企業の商品が登場する映像を新たに制作し、再配信する。協賛企業は更新された映像を通じて自社商品をPRすることができる。

 また、初回の配信後、特設サイトにて更新後のドラマに追加で登場する出演者を視聴者からオーディション形式で募集する。さらに、ツイッターを通じて視聴者から寄せられたシナリオに関するコメントを更新後のシナリオに反映させる試みも行う。視聴者はドラマ自体を楽しむだけでなく、更新の前後で商品・登場人物・シナリオが変化する過程も楽しむことができる。また、視聴のみならず特設サイトを通じて出演者が着用している衣服を購入することも可能。

 「Cドラ」は関西テレビ・コクーン・アソビシステム・博報堂DYメディアパートナーズが共同で制作する。関西テレビがドラマの企画・プロデュース、コクーンがドラマ制作及び協賛企業の募集窓口を担当、アソビシステムがタレントのキャスティングを担当。博報堂DYメディアパートナーズが特設サイトの制作・運用を担当する。協賛企業は家具・時計・家電・インテリア雑貨・携帯電話など様々な業種を想定している。

 「Cドラ」第一弾として「Love × Stories」を5月2日より配信する。ドラマの内容は20代の男女による恋愛をテーマとしており、主演は武智志穂、プロデューサーは関西テレビ東京コンテンツセンターコンテンツ事業部担当部長の重松圭一氏が務める。重松圭一氏は2009年の関西テレビ制作ドラマ「リアルクローズ」のプロデューサーを務めており、ドラマで登場する服や小物をECサイトにて購入できる仕組みを構築した実績がある。

 テレビ業界は、インターネット経由で配信された動画やアプリなどが楽しめる「スマートテレビ」などの普及を見据え、コンテンツ制作のノウハウや、コンテンツを活用したビジネスモデルの開発が急務となっている。今回のドラマ配信はこのような動きに対応した実験的な取り組みとなる。今後も第2弾、第3弾と新作ドラマを制作し、新しいチャレンジを行っていく予定。

関連記事