伊藤忠と九州電力、インドネシアの地熱発電プロジェクトに参画

2013年4月4日 17:29

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位置図(画像:伊藤忠商事)

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 伊藤忠商事、九州電力、インドネシアのPT Medco Power Indonesia、米国のOrmat Technologies, Inc.は、それぞれ保有する投資子会社および共同で出資する事業会社Sarulla Operations Ltd(本社:ケイマン)を通じて、4月4日に、インドネシア国有電力公社(PLN)及びインドネシア国有石油会社の子会社PT Pertamina Geothermal Energy(PGE)との間で、インドネシア北スマトラ州サルーラ地区にPGEが保有する地熱鉱区を開発し、出力330MWの地熱発電所を建設、PLNに30年間に亘り売電する長期売電契約を締結した。

 同案件への出資比率は伊藤忠商事:25%、九州電力:25%、PT Medco Power Indonesia:37.25%、Ormat Technologies, Inc.:12.75%となっている。

 インドネシアは世界の地熱源の4割が集中する世界最大の地熱源保有国であり、同国は地熱を戦略的な電力源として位置付けている。2010年に策定した第2次10,000MW電源開発促進プログラムにおいては、その4割相当(4,000MW規模)を地熱発電で賄うという方針を打ち出している。今回の案件は単一開発契約としては世界最大規模の地熱発電IPP(独立発電事業)であり、同プログラムの中核をなすプロジェクトとなる。

 資金調達に関しては国際協力銀行、アジア開発銀行を中心としたプロジェクトファイナンスの組成を検討しており、今後ファイナンスの組成を経て発電所の建設を開始し、2016年から段階的に商業運転を開始することを目指している。

 地熱発電は、地下深部にある地熱貯留層から高温高圧の蒸気・熱水を取り出して発電する技術であり、取り出した地下水を適切に地中に還元することにより半永久的に地熱エネルギーを利用することができ、今後の活用が世界的に期待される再生可能エネルギー。発電時にCO2の排出がわずかであるため環境に対する負荷が少なく、また天候に左右されないため、他の再生可能エネルギー電源に比べて出力が年間を通して安定しているという利点がある。

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