日本製紙、釧路工場にバイオガス製造テストプラントを設置

2013年3月26日 21:04

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 日本製紙は、昨年10月に釧路工場(北海道釧路市)において溶解パルプの生産体制を確立したが、今年3月、その製造工程で発生する酸加水分解液の高度利用検討の一環としてバイオガス製造テストプラント(メタン発酵法を採用)を設置したと、26日発表した。

 メタン発酵では、嫌気菌の働きにより有機分をメタンガスに変換し、得られたメタンガスを重油代替として利用できる。発生するメタンガスは二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルの燃料として定義されるため、重油の代替として使用すれば二酸化炭素排出量を低減させることができる。

 日本製紙では、既にクラフトパルプ製造工程から発生する廃液についてメタン発酵処理を行っている。今回その技術を応用し、実現すれば世界でも初めてとなる溶解パルプ酸加水分解液の利用に向けて検討を行っていく。

 なお、この酸加水分解液は様々な用途で活用できる可能性があるという。日本製紙では、まずは環境対策としてメタン発酵処理による省資源化を推進していくが、今後さらなる高度利用についても検討を進めていく方針。

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