沖合における日本初の着床式洋上風力発電設備が銚子沖に完成、鹿島が建設

2013年2月28日 11:03

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完成した風車と観測タワー(写真:鹿島)

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 鹿島は27日、千葉県銚子沖約3kmの海上に建設を進めていた日本で初めての着床式洋上風力発電設備を完成させたと発表した。

 同事業は、台風や地震などの日本の厳しい自然環境に適用できる洋上風力発電技術確立を目的とした、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による洋上における風力発電の実証研究。洋上風力発電システムの風車についてはNEDOと東京電力が共同で実証研究し、洋上風況観測システムの観測タワーについてはNEDOから委託を受けた東京電力と東京大学が実証研究を行っている。

 鹿島は東京電力の発注を受け、観測タワーと洋上風車の建設を担うとともに、東京電力からの再委託で風車基礎の研究開発を担っている。

 洋上は障害物が無く、陸上より安定的に強い風力が得られ、発電効率が高いメリットがある。今後約2年間、風向きや風の強さと発電量の関係などの調査が進められる。

 鹿島は同洋上風力発電設備の建設工事において多くの台風や東日本大震災を経験した末、今回設備を完成させた。同社は厳しい環境下で培った建設のノウハウを、今後期待が寄せられている再生可能エネルギーの一つである洋上風力発電事業に役立ていく方針。

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