東芝、米デマンドレスポンス関連会社を買収

2013年2月7日 11:57

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 東芝は7日、デマンドレスポンス(需要応答、以下DR)向けソフトウェア開発及び関連機器・サービスの提供を行う会社である米コンサート社(Consert Inc.)を買収し、100%子会社化したと発表した。

 コンサート社は電力会社向けにDRシステムを提供する会社。電力会社は同社のシステムを活用することで、消費者の快適さを損ねずに家庭内の電力消費の高い空調や温水ヒーターといった機器の遠隔制御を行い、ピーク時の負荷抑制を実現することが可能となる。

 米国では電力供給の安定化のため、スマートメーターの普及と共に、ピークカットやピークシフトを実現するためにDRなどの最適な電力管理技術が求められている。そのような中で、コンサート社はすでに米国でのDRシステムの採用実績を有する。さらに、北米10ケ所でのDRに関するパイロット・プロジェクトも実施しており、今後は全米での展開を計画している。

 東芝は、米国ではグループ会社であるランディス・ギア社を通じてスマートメーター事業を展開しており、スマートメーターに加え、通信からメーターデータ管理ソフトを含めたAMI(Advanced Metering Infrastructure:スマートメーター総合管理システム)としてのソリューションの提供を行っている。

 今回のコンサート社買収により、東芝の強みである配電自動化、グリッド監視制御システム(μEMS)、蓄電池(SCiB)などを含むスマートグリッド事業にDRソリューションを加えることで、電力の安定運用を図るためのソリューションをワンストップで提供することが可能となる。これにより、電力会社が目指す地域電力安定供給と家庭内の快適性維持と節電の両立に貢献し、米国での事業拡大を図る。

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