商業施設への設置が進む急速充電は真にEVの普及へと繋がるか

2012年10月1日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 一向に普及の進まない電気自動車。普及の障壁となっている航行距離の課題や充電スタンド数の絶対的不足を解消するために、様々な施策が講じられている。その施策の一つが、商業施設や駐車場ビジネスとの連携である。

 タイムズ24は、タイムズ駐車場として運営する「イオン大和ショッピングセンター」の駐車場で、カーシェアリングサービス「タイムズプラス」として商業施設で初めて電気自動車を導入。日産リーフと新型ノートの2車種計2台でサービスを開始するとのこと。商業施設への「タイムズプラス」の導入は、急な運搬需要への対応を可能にすることなどから利用が広がっている。この「タイムズプラス」に電気自動車を導入することで、電気自動車への理解の深化を図っている。

 日産自動車は、びっくりドンキーの店舗駐車場に急速充電器を設置し、充電事業の実証を開始。急速充電器がファミリーレストランの店舗駐車場に一般利用目的で設置されるのは全国初という。ファミリーレストランなど幹線道路沿いの「商業施設」への急速充電器の設置は、充電スタンド不足の解消が図れるものとして期待が高まっている。今回の取り組みは、将来のファミリーレストランへの急速充電器の設置・運用条件、事業化の可能性等を実証するもの。事業化に目処がついた場合は、設置店舗を順次拡大する。

 また、自動車販売店・日産サティオ徳島が、徳島県北島町の商業施設に急速充電器を贈り、駐車場に設置。これまで徳島県内では、自動車販売店を除くと、徳島市の徳島保険所に県が試験的に設けたものしかなかったという。

 2010年に日産リーフが量産を開始されて以来、大々的な広告や多数の実証実験が実施されてきたものの、依然として普及が進まない電気自動車。航行距離の問題や充電に要する時間など、一向に課題が解決されていない印象がぬぐえない。急速充電でも約30分の時間を要するため、その間を施設内で過ごすことの出来る商業施設への設備設置は有効と言えるかもしれないが、その設置はせいぜいが一台から数台程度である。これらの試みが真に電気自動車の普及に帰依するのか、疑問が残ると言わざるを得ないであろう。

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