『勢い受け継いで強いが、上値は限界』の展開か=犬丸正寛の相場展望

2012年9月7日 16:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(10~14日)は、急反発の勢いを受け継いで強調が予想されるものの、上値のフシが控えているうえに、局面を大きく変化させるような政治・経済状況でもないだけに上値には限界がありそうだ。

来週(10~14日)は、急反発の勢いを受け継いで強調が予想されるものの、上値のフシが控えているうえに、局面を大きく変化させるような政治・経済状況でもないだけに上値には限界がありそうだ。[写真拡大]

  来週(10~14日)は、急反発の勢いを受け継いで強調が予想されるものの、上値のフシが控えているうえに、局面を大きく変化させるような政治・経済状況でもないだけに上値には限界がありそうだ。

  日経平均は6日(木)まで日足が連続6本の陰線となるなど、売方は深追いがし難い状況となっていた。そこへ、NYダウの急反発があって売方が買い戻しを急いだとみられることから日経平均は週末200円近い、久々の上げとなった。しかし、26週線(9150円ていど)を上抜くまでには至っていない。

  一方、8月中旬から下げが続いていたNYダウも6日は200ドルを超える急反発となった。しかし、こちらも上値のフシである1万3330ドル(8月21日)を抜くことはできていない。このため、来週は日米とも上値のフシを抜くことができるかどうかが注目される。

  欧州中央銀行が南欧の国債を無制限で買い入れるという。秋にもユーロ不安再燃が囁かれていただけに明るい材料といえる。ただ、資金繰り悪化は回避できても、経済的体力が回復するかどうかは見極めになお時間がかかる。経営不安となった企業の場合でも資金繰りに目途がついた次は、合併、不採算事業部門の売却などで再建を図ることが多い。

  日本は政局の波乱で赤字国債の発行ができず、欧州のことを笑うことができない状況となっている。経済・景気・企業業績への影響が心配だ。労使の幹部がそろって政治にモノ申す状況となっているのも分かる。

  とくに、そろそろ、3月期決算会社の第2四半期(4~9月)の予想、観測が出始める。4~6月で大きく落ち込んだ輸出企業の業績が、7~9月で目覚しく回復に転じているとは思えないだけに輸出関連中心に企業業績に対する警戒感は強い。企業業績に自信が持てないと、企業業績と連動性の強い「26週線」を突破することは難しい。

  基本的には、日米とも新政権下での経済政策待ちである。

  とくに、日本は2009年に「企業寄り」から「庶民寄り」に政権が交代してから、企業は元気がない。外交もメタメタ状態である。少々の格差には目を瞑って競争を大切にして日本再生を図ることができる政権とすることができるかどうかが最大の注目点だろう。格差がなく、仲良し会も大切だが、みんなそろって沈没してからでは遅い。一日も早く解散して新政権のもとで日本再生に取組むべきである。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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