日立、世界初の5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発に着手

2012年7月12日 12:00

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 日立製作所は12日、洋上風力発電システムの大型化ニーズに対応するため、ダウンウィンド方式の特徴を生かした世界初の5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発に着手したと発表した。

 今回の5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発では、経済性を向上するため、風力発電システム全体を軽量化するなど新技術を投入し、高性能・高効率の風力発電システムを開発する。2014年度から実証試験を開始し、2015年度の販売開始を目指す。

 また、今回の開発に加え、今後需要の増加が見込まれる低風速域対応の2MWダウンウィンド陸上風力発電システムの開発も推進していく。

 日立が風力発電システムで採用しているダウンウィンド方式は、丘陵地帯など吹上風が吹く地帯での発電量が多くなることが特徴。浮体式洋上風力の場合この特徴が大きく生かされるため注目されている。また、着床式洋上風力では、風見鶏効果により風荷重が低減されるため、基礎工事コストが低減できる。着床式洋上風力として納入した風力発電システムが東日本大震災に耐えたという信頼性の高さも、日立の風力発電システムの特徴となっている。

 浮体式洋上風力では、環境省で実施している100kWの実証試験を五島列島で開始しているほか、経済産業省が福島県沖での実証試験も計画しており、今後洋上風力発電システムは、着床式・浮体式ともに市場が伸びることが期待されている。日立は、これらの実証試験に参画するとともに、着床式・浮体式両方に適した風力発電システムを開発していく方針。

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